・テラフォーマーズに出演していたエメラルドゴキブリバチ。
さておき、最近エメラルドゴキブリバチはずいぶん知名度が向上しました。こういったマニアック生物は基本的に一般の方々が一生知ることもないことが多いのですが、
週刊ヤングジャンプがやってくれました。
ご存知のかたも多いでしょう漫画「テラフォーマーズ」です。
もともとマンガファンから「面白い」と評判でしたが、2013年に「このマンガがすごい!」オトコ編1位を堂々獲得、一気に火が点きました。
「最強の毒アリ」パラポネラや
「昆虫界の爆弾小僧」ミイデラゴミムシ、
「海底のボクサー」モンハナシャコ、
「凶悪肉食コロギス」リオックなどなどなどなど。
珍生物ファンならうひょーと歓喜するマニアックなラインナップがネタになっているところからそういった層にももちろん知られておりました。
テラフォーマーズは敵が「進化したゴキブリ」ということで、ゴキブリの天敵として有名なアシダカグモ(通称アシダカ軍曹)もモチーフとして登場しているのですが、やっぱりエメラルドゴキブリバチも出てました。知ってる人はニヤリとしたことでしょう。
どのくらいネタバレしていいのかわからないので控えめにしておきますが、
エメラルドゴキブリバチ能力を持っているのはセクシー系褐色美女ですよ!
読もう! テラフォーマーズ!
・エメラルドゴキブリバチのやり口は「強制パーキンソン病」!? そもそもパーキンソン病って一体?
エメラルドゴキブリバチに限らず、昆虫の研究はまだまだ日進月歩の分野です。いわゆる大人気でお金になりやすい研究以外は研究費用があんまりもらえなかったりしますからね。
エメラルドゴキブリバチにも最近新たに判明した事実があり、それは昆虫の奥深さを感じる内容でした。
前述したように、エメラルドゴキブリバチはゴキブリに2発の毒針を打ち込んで無力化します。1発目は体を一時的にマヒさせ、2発目でゴキブリの脳を侵す……。
この2発目の毒の成分を分析すると、未知のペプチドが発見され、
「アンピュレキシン」という名前が付きました。
この成分は「ゴキブリの無力化に関わっている物質なのではないか」と考えられており、ある分野の治療に有効になる可能性があるということで脚光を浴びています。
「パーキンソン病」。ご存知でしょうか。
難病指定されている病気で、手足が震えたり、思ったとおりに動かせなくなり、進行すると歩くことすら困難になる恐ろしい病気です。
我々人間が体を動かすときには脳から指令が出ますが、この指令を伝えているのが伝達物質である「ドーパミン」です。パーキンソン病は、このドーパミンが足りなくなることで命令が行き届かなくなってしまう、という病気なのです。
エメラルドゴキブリバチの毒から見つかった新たな物質「アンピュレキシン」。
仮説の段階ですが、この「アンピュレキシン」はゴキブリのドーパミン生産を一時的に妨げてパーキンソン病と同じ状態にしているのではないか?
このペプチドを研究することで難病であるパーキンソン病を根本的に治療できるきっかけになるのではないか……と。
自然界には人間がまだまだ知らない神秘が溢れています。
ひょっとするとわたしたちが必要なものは全て、もう自然にあるのかもしれません。