皆さん、知ってるようで知らないことって
ありませんか?
新潟の「潟」の漢字とか……。
毎年のようにコロコロかわる年金制度とか……(社会派)。
前置きは置いといて、飼ったこともない動物って、知ってるようで知らないんじゃありませんか?
普段、町中で見ている動物たちも、掘り下げて調べていけば意外な面白さが眠っているんです。
知ってるようで知らない第1弾!
皆さん当然ご存知であろう日本犬の代表格ですね。「柴犬なんて見たことねーよ」って人はいないんじゃないでしょうか?
ですが姿かたちは知っていたとしても、詳しい情報をまで知っている方は飼い主でも少ないんじゃないかと思います。
かわいいだけじゃなく、サイエンス視点からも面白い「柴犬」を見ていきましょう。
・「柴犬」実は狼にめちゃくちゃ近いDNA。実は天然記念物だったんだよ!
さて、日本でかなりメジャーなイヌ「柴犬」。
まず日本には「日本犬」という犬種がありまして、柴犬もそこに含まれています。
この「日本犬」とは、昭和初期に「洋犬がたくさん入ってきて雑種化が進んだから日本古来のイヌの血統を残そう」という団体「日本犬保存会」によって選定、段階を経て天然記念物に指定された6種類の犬種を指します。
この「6犬種」には、
・柴犬
- 秋田犬
- 甲斐犬
- 紀州犬
- 四国犬
- 北海道犬(アイヌ犬)
があり、かつては北陸地方の「越の犬」という犬種も含まれていましたが、1971年に純血種がいなくなってしまいました。
要するに柴犬は「日本古来の犬種」であり、
天然記念物でもある日本にとってとても関わりの深いイヌなのです。
・歴史の深いイヌ、柴犬
さて、一部の柴犬は縄文時代から人間と生活をともに
していた猟犬であるそうです。その血統はいまでも「縄文柴犬」として残っています。
さらに柴犬の源流を辿ると、現在も残っている犬種の中ではトップクラスに古いものであることがわかりました。
何万年の昔、オオカミからイヌが分岐。そこから数多くの犬種が生まれてきましたが、そのDNAは大きく4つに分類されるのです。
まずオオカミに最も近い「ウルフライク」。
牧羊犬の遺伝子「ハーダーズ」。
狩猟犬が多い「ハンター」。
たくましく力が強い「マスチフライク」。
犬種によってこれら4つの遺伝子に多寡があり、それぞれに代表的な犬種があります。
例えば「ウルフライク」が強い犬種は秋田犬やシベリアン・ハスキー。「ハーダーズ」にはボルゾイやコリー、シープドッグなど。
その中でも、
もっとも「ウルフライク」が強い犬種が柴犬なのです!!
かなり早い段階でオオカミから分岐したことがわかっており、その後、交配や人為的選択によってオオカミの扱いにくい性質が削られていくことも少なかった希少なイヌだったんですね~。
・「柴犬」の特徴。古代から愛される番犬向きの性格とは?
柴犬は昔から日本人が飼育し一緒に生活してきたイヌです。
そのため、柴犬ひとつとっても多くの種類や特徴があります。
まず柴犬の特徴といえばやっぱり体が小さいことですよね。
同じくウルフライクな犬種である秋田犬の成犬が体高70センチ、体重60キロにもなるのに対し、柴犬は成犬でも体高40センチほど、体重は15キロにもなりません。
またピンと立った耳、くるりと巻いたしっぽなども可愛らしい特徴ですね。また短毛種ながら外側に固い毛、内側に柔らかい毛による「ダブルコート」で日本の温暖湿潤な気候に強いという特徴もあります。
現代では愛玩動物として飼育されていることが多い柴犬ですが、かつては猟犬や番犬としてバリバリ活躍していた歴史があります。気質が硬派で、おとなしい犬とは一味違う性格のものが多いんです。
一般的には勇敢で、主人と認めた人物には非常に忠実に従います。頑固で警戒心が強く、よそ者には果敢に吠えかかるワイルドな性格です。また、ナワバリ意識が強く、複数匹で多頭飼いするには適していません。
そしてオスとメスでは多少、性格の傾向が異なります。
オスのほうが闘争心が強く、好奇心旺盛で他のイヌに対して良くも悪くも興味を示します。
メスはどちらかといえばより警戒心が強く、家や家族に対して関心があるものが多いようです。
あんな気の抜ける顔をしているのに意外と男気ある一匹狼タイプなんですねー。
最近では家庭犬としての歴史が積み重なったのか、これらの古代犬らしい性格は鳴りを潜めている個体も多くいるようです。もちろん、生まれやしつけによる個性でもあるんですけどね。
・柴犬を飼おう! 誠実でダイナミック、鋭敏でクレバーな性格を引き出すには?
さて、ここまで柴犬の特徴を書いてきましたが、これらの良い特徴を引き出せるかどうかは飼い主の知識や裁量にかかっている部分が大きいのは当然のことです。
いくら柴犬が一本気な気質でも、育て方を間違えてしまえばワガママ放題の暴君になってしまうこともあるでしょう。
なので、柴犬を飼うにあたってその性質の良さを引き出し、悪さを抑えるにはどうしたらいいのか? 調べてみましょう。
・社会化期にしっかりしつけよう
「社会化期」とは生後1~3ヶ月の期間を指し、色々な情報を吸収して社会生活に適応する能力が伸びやすい期間です。
この時期にしっかりと外に連れ出し、他の犬や人間とコミュニケーションをとり、「世界にはこんなものがあるんだよ」と教えてあげることで知らないものに怖がらせることなく今後の社会生活に必要なことを教えていきましょう。
また、イヌは本来、何匹かの兄弟とともに成長するに連れて「噛むと相手が痛がる」ということを学んでいきますが、幼少から1頭で飼育する場合には飼い主が「強く噛むことはダメ」だと教えてあげなければいけません。こういったことを教えるのも「社会化期」が適しているのです。
・主従関係を理解させよう
柴犬は賢いイヌです。
が、独立心が強い犬種でもあるので、飼い主が軽んじられていると言うことを聞きません。
飽くまで「人間優先」なんだよ、という態度を取ることで「人間はキミの子分じゃないんだよ」ということを教えてあげるべきなのです。
・最後に
どうでしたか? 柴犬について意外な事実も多かったのでは?
特に、外見からは想像しがたいオオカミらしい性格なんかはご存じない方が多かったのではないでしょうか?
いわゆるペットとしてメジャーな生き物も、より深く知ってみれば新しい面白さが見えてくると思います。