・「タダタダタダヨウガニ」「ゴエモンコシオリエビ」クレイジーネーム生物の学名は? 実は面白い生態も紹介
先に前項でのネタばらしをしちゃいましょうかー。
「ゴエモンコシオリエビ」の「ゴエモン」は石川五右衛門から取られています。
石川五右衛門についてはいろいろ伝説が残っているのですが……、有名なのは「五右衛門風呂」の由来にもなっている釜茹でのエピソード。捕まってしまった盗賊の石川五右衛門は釜茹でによる処刑をされる……というものですが、
このゴエモンコシオリエビは深海の熱噴出孔(チムニー)に生息しています。チムニーからボコボコと煮えたぎる300℃の熱水、その近くに生活している生き物を見て「まるで石川五右衛門のようだ」と「ゴエモン」がつけられ「ゴエモンコシオリエビ」となった……ということです。
このゴエモンコシオリエビはなかなか先進的なヤツでして、なんと「農業」みたいなことをして生きているんです。海底で。
ゴエモンコシオリエビはモサモサの毛がたくさん生えているんですが、このモサモサの中でバクテリアを飼育しているんです。栄養源の少ない深海では、熱水に含まれる化学物質を分解してエネルギーにするバクテリアが生態系の根っこを支えています。
ゴエモンコシオリエビはお腹が空いたらこのバクテリアを食べます。そのため熱水噴出孔の近くに生息しているんですねー。
さてお話は「タダタダタダヨウガニ」に。
こいつは名前のとーり「ただただ漂っている」生態が特徴的です。
甲殻類の多くは底生、いわゆる海底を歩いて生息していますが、タダタダタダヨウガニは脚に生えた毛(また毛か)を広げることでさながら羽やヒレのように水中をフワフワ漂うことができるのです。
しかし漂いすぎてたま~に浜辺に大量に打ち上げられます。遊泳力は低いのね……。あ、だから「タダタダタダヨウガニ」なのか。
そして漂ってるからマグロに食べられちゃうのか……。
タダタダタダヨウガニは「パッチ」と呼ばれる集団になることがままあり、この集団の一部が潮流の関係で浜に打ち上げられると考えられています。なぜならまだ研究が進んでいないからです。
最後におまけのように学名を。
タダタダタダヨウガニの学名は
「Pleuroncodes planipes」。
ゴエモンコシオリエビの学名は
「Shinkaia crosnieri」。
意味は調べてみたけどわかりませんでした。学名だからラテン語かと思ったんだけどなあ……
・「タダタダタダヨウガニ」「ゴエモンコシオリエビ」。珍名生物の味は?
日本人オカシイヨー。
「タダタダタダヨウガニ」とか「ゴエモンコシオリエビ」で検索しようとしたら
すぐ検索候補に「味」って出てくるヨー。
カニとかエビとか名前についてるからってすぐ食べようとするなヨー。
そもそも美味しかったら食べるつもりなのかヨー。
さて、味についてですが当然情報は全くといっていいほどありません。貴重なんだから。
北米西海岸のほうだとタダタダタダヨウガニが打ち上げられるので、食の求道者は食べてるかも知れませんけど、そもそも日本に知られたのが最近なので日本人で食べたことのある方はいないんじゃないでしょうか?
そのため、ここで語る内容はあくまで予想です。
まず近縁のものを調べてみましょう。
「タダタダタダヨウガニ」「ゴエモンコシオリエビ」この2種ですが、
ヤドカリの仲間です。
「カニ」「エビ」っつってんのに「ヤドカリ」なんです。ゴエモンコシオリエビに至ってはカニみたいな見た目してんのに。
いわゆるエビ、カニ、ヤドカリは「十脚目」に分類されるのですが、その中でも「コエビ下目」「イセエビ下目」などに分類されます。
そしてカニ類は「短尾下目」、ヤドカリは「異尾下目」に分類されます。
「タダタダタダヨウガニ」「と「ゴエモンコシオリエビ」は「異尾下目」です。残念ながら。
なので味はヤドカリに近いのかな~? と思いきや。
タダタダタダヨウガニはまだ普通のヤドカリに近い味わいだと思うんですけど、深海でバクテリアを食べてるゴエモンコシオリエビはヤドカリっぽい味がするのかな~? 食べ物でだいぶ食味は変わると思うんですよね。言っちゃなんですけど
ゴエモンコシオリエビはマズそう。
と、いうか日本人はなんでもすぐ食べようとしすぎ! タダタダタダヨウガニは見た目美味しそうだけどね!! 赤いし!
今回噛まずに音読できた人はスゴいぞ!!
チャレンジしてみよう!! イエー!