全日本クレイジーネーム四天王の一角が
お出ましだァ!!
説明しよう!!
全日本クレイジーネーム四天王とは!!
「なんでこんな名前つけたんだろう」と命名者の正気を疑ってしまう
生き物たちの中でも特にクレイジーな名前を持つ4種である!!
ハダカデバネズミ!!
スカシカシパン!!
トゲアリトゲナシトゲトゲ!!
そして今回のテーマがこちら!!
確かにちょっとすべっとしてますな。まんじゅう感はないですけど。そもそもスベスベしてるまんじゅうなんて見たことないわ。見た目はまんじゅうとは違うジャンルで美味しそうですけどね。
さあ、この何の変哲もない子ガニもクレイジーネームの例に漏れず、名前負けしない面白生物なんですよ。ワクワクしますね。
今回は「スベスベマンジュウガニ」を見ていきましょう。
・水族館にもいる「スベスベマンジュウガニ」。かわいい学名してるのね。
スベスベマンジュウガニ。
何度でも読みたいスベスベマンジュウガニ。
「ガニ」抜いたら面白いですよね。スベスベマンジュウ。かわいい。売れそう。
見た目がかわいいスベスベマンジュウガニですが、実は学名もかわいいんですよ。
学名は「Atergatis floridus」。
意味は「キレイな殻の花模様ガニ」。か、かわいい……。少女漫画チックな命名ですね。
花模様……に見えなくもないですし。ロココ調。
甲幅(甲羅の横幅)5センチほどの小ささというのもキュートです。
こんなのが真夏の海岸でワチャワチャしてたら「まあカニさんったら」と目がやたらキラキラしている人種はイチコロ。動きがあまりすばやくないあたり愛され方がわかってますね。
こんなに「かわいいカニ」だから水族館にも展示されているんですよ。
「新江ノ島水族館」、
「鳥羽水族館」、
「沖縄美ら海水族館」……。
日本中の水族館に展示されています。
まあ、「かわいいから」だけじゃないんですけども……。それについては後述。
スベスベマンジュウガニは世界の広い範囲で生息しており、
インド洋~太平洋の西側(日本側ですね)に生息しています。
日本では千葉県以南に分布しており、それほど珍しい種でもないことから見ること自体はそれほど難しくもないでしょう。イセエビ漁の網にアホほど引っかかるんですって。
ウフフフ……。いやあなんのことはないかわいいカニですよね……。
でもなんの変哲もないカニがどうして
水族館に展示される謂れがありましょう?
詳しくは最後まで読んでくださいね。ウフフ……。
・スベスベマンジュウガニを飼育したい! 購入するにはどうしたら? 価格はいくらくらい?
スベスベマンジュウガニ、スベスベマンジュウガニ……。
はっ、ついつい連呼してしまいました。言葉の口触りが良すぎて……。
さて、名前も見た目もかわいいスベスベマンジュウガニ、その飼いやすそうなサイズ感からでしょうか、飼育したいという声を度々聞きます。
飼育方法はわりと簡単で、いわゆるカニ飼育の基本がそのまま適用されます。
多少大きめの水槽で、
海水(人工OK)、
砂を敷いてサンゴや流木で隠れ場所を作って……。
水質を清潔に保って、逃げ出さないようにフタもちゃんとつけて、ですね。
水温は15~25℃くらいを維持すれば生育環境に近いですね。
冬はヒーターを。夏は日光に当てすぎないように。
そして手に入れるのも簡単です。販売価格を調べてみたところなんと1匹500円。
お菓子か。
沖縄などの地域では磯で直接捕まえられるかも知れませんし、高値で買う人もなかなかいないんでしょうかねー?
そして次項ではついにスベスベマンジュウガニ最大の秘密を明らかにしましょう。
ふふふ……やっぱりクレイジーですよこいつは!!
・食べると死ぬかも!! スベスベマンジュウガニは毒ガニだった!! その毒性も解説!!
毒ガニ。
なんでしょうねこの絶妙に締まらないカンジは。毒グモや毒ヘビに対して緊張感がないな。
そんなわけでスベスベマンジュウガニは毒ガニです。
食べたら死ぬレベルの毒を持っています。
「まんじゅう」なのに!!
食べたら死ぬ!!
まんじゅうこわい!!(意味が違う)
さっきまでのかわいさは鳴りを潜めて自然界の恐ろしさを見せつけてくるスベスベマンジュウガニ。キシャー。
その毒は「テトロドトキシン」。フグで有名なアレです。
そして貝毒である「ゴニオトキシン」「サキシトキシン」「ネオサキシトキシン」。
その毒性の強さは人間の致死量10人分を超えることもある、非常に危険な毒です。
「テトロドトキシン」「サキシトキシン」は、神経の伝達物質を阻害し、脳からの信号を遮断する、という作用があります。
わかりやすく言えば、
「脳からの呼吸命令すら阻害するので
呼吸困難で死ぬ毒」です。
やり口がエグい。
ただ、スベスベマンジュウガニは毒を狩りに使うタイプの生き物ではないので食べない限りは毒性が発揮されることはまずありません。飼育したい人も安心です。
フグ毒がなぜ蓄えられるのかという点は未だに決着がついていない議論ではありますが、プランクトンが微量に生成するテトロドトキシンが、貝やヒトデなどがそれを食べ、それらを好物とするフグが食べることで生物濃縮が起こり多量のテトロドトキシンが蓄えられるのではないか、という説が現在の有力説。
スベスベマンジュウガニも、自分を守るためにせっせと毒を食べているのかも知れませんね。
だとしたら単純に怖い。