日本最”凶”。「スズメバチ」。実は日本に10種類以上! 巣の特徴や、刺されたらどうすればいいのか特集!

夏も終わりですねー。

地域によっては残暑が厳しくなりそうですが、北海道はもうかなり涼しくなりました。油断すると風邪引きそうです。

気温低下に従って虫の姿が少なくなってきました。もう秋にはマッハで生き物が減っていき11月には雪が降るのでしょう。ちくしょう。しかし、これから怖くなるヤツもいるんですよね……。

「スズメバチ」(Google画像検索)。

日本で一番怖れられている昆虫といってもいいんじゃないでしょうか?

実は秋はスズメバチが最も凶暴化する季節。新たな女王やオスバチを生み出すために栄養を求めてスズメバチがブンブン飛び回るのです。

顔、カラーリング、威嚇音、毒針や生態などなど……バーサーカーのようなスペックに全てを恐れおののかせるモンスターインセクト。部屋とか車とかに侵入されたときの大パニックぶりといったらスゴいですよね。たぶん爆竹放り込まれた時と同じくらいパニックになりますよ。

ミツバチの巣で殺戮の限りを尽くしたり、人間をブスブス刺して激痛を与えたりもはや天災のような存在。

でも人間にとってスズメバチの被害をゼロにするのは非常に難しいもの……。どうやって被害を最小限にとどめ、スズメバチから離れた静かな生活を手に入れればいいんでしょうか?

「オマエ今こっち見てたやろ?」天然のチンピラ、スズメバチについて見ていきましょう。

・「巣」で判断できるスズメバチの種類! 北海道はスズメバチ王国!?

えー、スズメバチと一言にいってもいろいろな種類がいます。そして、その全てが人間にとって有害というわけではないんです。

ですのでまずはスズメバチの種類について学び、危険度が判断できるようになりましょう。そして「巣の形状」でざっくり種類を判断できるので、セットで紹介していきましょう。

・オオスズメバチ

言わずと知れたモンスター!! オオスズメバチ!!(Google画像検索)

スズメバチ科スズメバチ亜科としては世界最大級の4センチ近い巨体! 毒液はスズメバチの中で最も強く、時速40キロで飛行し、一日に100kmも移動するタフネスも持ち合わせています。

沖縄を除く日本のほとんどに生息しており、非常に凶暴で獰猛。自分より大きな敵にも全く怯まずに集団リンチにしてしまう怖いもの知らずっぷり。

オオスズメバチは土中や木の洞に営巣します。土の中に巣を作るというのは珍しく、もしも地面の低いところでブンブン飛んでいたら危ない。オオスズメバチかもしれません。

・キイロスズメバチ

実は一番メジャーかも! キイロスズメバチ!!(Google画像検索)

いわゆる「軒先に出来た丸い蜂の巣」の主であることが多いキイロスズメバチ。スズメバチの中では小型で2センチほどですが、その凶暴性はオオスズメバチに次ぐナンバー2。実はオオスズメバチよりも刺される事件が多いスズメバチです。

特徴は小型であることと、名前の通り黄色が鮮やかなこと。

キイロスズメバチは少数のときは狭いところに巣を作り、数が増えると広い場所に「巣の引っ越し」を行います。そのため、人間が気づく間もなく大きな巣を作られてしまいます。ご注意!

・ヒメスズメバチ

ヒメスズメバチ(Google画像検索)

「ヒメ」とついていますが大きさはオオスズメバチに次ぐサイズを誇るスズメバチ。黒い部分が多いという特徴がありますが、オオスズメバチと判別するのはちょっとむずかしいかも……。

しかしスズメバチの仲間としてはおとなしく、羽音も大きいので素早くそのバを離れればキケンは少ないです。獲物としてアシナガバチの幼虫や蛹を好んで食べます。アシナガバチは洗濯物に紛れ込んで人間が刺されるという事故も多いので、スズメバチとしては人間にとって益虫であるといえますね。

・クロスズメバチ

クロスズメバチ(Google画像検索)。

名の通りほとんど全身が黒いスズメバチ。体長1~2センチほどで、攻撃性も毒もそれほど強くはありません。

地中に営巣し、信州(長野県)では「ジバチ」と呼ばれて食用としても有名です。岐阜県では「ヘボ」と呼ばれ、「ヘボ祭り」というクロスズメバチを食べたりできるイベントが行われたりしている人間の生活に密着しているスズメバチです。

さて、メジャーな4種のスズメバチを紹介しましたが、

日本には16種類のスズメバチが分布しているといわれており、

そのうち14種類は北海道に生息しているそうです。道民震える。

北海道は自然も多ければ、巣を作りやすい廃屋も多いので、スズメバチとの遭遇率が高いんですよね~。また秋口は昆虫が減ることによってスズメバチがエサを求めて凶暴化する時期でもあります。くわばらくわばら……。

・キケンなスズメバチ……刺されたらどんな症状が出るの? 処置は?

スズメバチといったら刺されるのが怖いんですよね~。

「アナフィラキシーショック」とかワイドショーでめちゃめちゃこすられてましたからよくわからないですけど怖いですよね~。

Q.アナフィラキシーショックってなんですかね?

「とりあえずスズメバチに刺されると危険!」という情報しかないんじゃないですかー? かつてあれほどテレビでやってたアナフィラキシーショックの解説、覚えてますかー。

毒虫界でもどメジャーなスズメバチ、刺されるとどうなるのか? アナフィラキシーショックとはなんなのか? 見てみましょう?

・スズメバチの毒

スズメバチに刺されるとどういう症状がでるのか? どう対処したら良いのか?

それを語るためにはまず「スズメバチの毒について」知らなければなりません。

スズメバチの毒は大別して4つの成分が含まれていて、これらの作用が「ハチ毒の症状」になります。

  • 痛みの原因となる「アミン類」
  • 痛み・血圧の低下・アレルギーを引き起こす「低分子ペプチド類」
  • 組織障害・赤血球の破壊・アレルギーを引き起こす「酵素類」
  • 神経系に作用する「非酵素系神経毒」

スズメバチの毒に多いのは痛みのもと「アミン類」。スズメバチ類は1匹が持つ毒の量は多いですが、実は毒の性質だけならミツバチのほうが強かったりします。

ハチの毒が恐ろしいのは何匹も同時に刺されることがある点。体内に打ち込まれる量が多くなり、大ダメージになってしまうことがあります。

ハチ毒の主な症状は数日でとれる痛みと腫れ。しかし稀に「アナフィラキシーショック」を引き起こします。

・アナフィラキシーショックって?

一言で表すなら「免疫機能の暴走」

人間は毒物が体内に侵入すると「抗体」を作ります。もう一度同じ毒が入ってきたときに効率よく対処するためにいわば「武器」を作るわけです。

そしていざもう一度同じ毒が侵入したとき「やべえ! 体を守らなきゃ!」とムダに全力で反応してしまい、ときに肉体にダメージを与えるほど症状が重くなってしまうことがあります。

結果的に血管の急激な拡張による血圧低下、

粘膜線の分泌の促進、気道の筋肉の収縮など……

によるショック症状を引き起こしてしまいます。

アナフィラキシーショックの症状は全てが重篤というわけではなく、死亡率こそ5%ほどと高いものの、絶対にアナフィラキシーショックが引き起こされるというわけでもなく、アナフィラキシーショックが発症しても大した症状も出ずに済むこともあります。

主な症状としては皮膚に出るものが挙げられ、じんましんや腫れ、かゆみなどのアレルギー症状らしいものが多いです。他にも目眩やしびれ、動悸、吐き気、腹痛、けいれん、耳鳴り、呼吸困難などなど……。

これらの症状が刺されてから数十分以内に複数出るとアナフィラキシーショックの可能性があります。

1度目のハチ刺されで体内で抗体が作られない場合や、2度目、3度目で抗体が作られることもあります。そうすると次以降のハチ刺されでアナフィラキシーショックに陥ってしまうことも……。

1度目のハチ刺されでもアナフィラキシーショックを起こすこともありますし、別種のハチに2度刺されても起こすことがあります。根本的な対策としては「ハチに刺されないようにする」ほかありません。

それでもアナフィラキシーショックらしい症状が出た場合、一刻も早く医療機関での受診が必要です。

エピペンというアナフィラキシー用の補助剤を持っていたら即座に注射し、救急車を呼んでから安静にしておきましょう。

……と、正直アナフィラキシーショックが起きたときにできることは少ないのです。

事前の準備が大事。

そしてハチに刺されないように黒い服装を避けたり、化粧品や香水を極力使わずに虫除けスプレーを使う、刺される危険がある場所には長袖長ズボンで肌を出さないようにしておくこと、など。

・スズメバチから身を護るための「スズメバチトラップ」。いつ頃の時期に設置すれば?

スズメバチの営巣を防ぐために有効なのが「スズメバチトラップ」。

カンタンに作ることが出来て、スズメバチに対して有効な罠なんです。

時期的には3月後半~6月

そして8月後半~10月までの2回が有効。

3月のものは越冬後の精力的な女王バチを狙うもので、8月のものは新しく巣立つ女王バチを狙ったものになります。女王蜂を罠にかけることができれば、近くに巣が作られる可能性が減りますからね。

まずトラップの作り方。2リットルサイズのペットボトルを用意してください。上部に*状の切れ込みを入れ、内側に折り曲げます。これは「かえし」をつけることで中に侵入したスズメバチを逃げ出さない効果があります。

そして中にハチを誘引する液体を入れます。これはいろいろな種類や配合があるのですが、日本酒や焼酎・お酢などの発酵した液体、砂糖・フルーツジュースなどの甘いものも効果が見込まれます。

液体でスズメバチを溺れさせることが目的なので、多めに入れておきましょう。でも入れすぎると穴から這い出してしまうのでほどほどにね。

※注意!!

スズメバチトラップはスズメバチが取れすぎると空けた穴からハチが這い出してしまうのでこまめにチェックしましょう。また、誘引液が減っているとハチが溺れずに危険があるため、減っていたら足しておきましょう。以前仕事で仕掛けたことがあるんですが、ホント地域によっては引くほど取れますからね。