・「ミイデラゴミムシ」超強力な毒ガスの仕組み!! やっぱりマッド・サイエンティスト!!
超強力なオナラをするミイデラゴミムシ。小さな虫がどうやって捕食者をびっくりさせるような威力を作り出しているのでしょうか?
まず、ミイデラゴミムシの体内には2つの部屋があります。そこに化学物質を溜めています。
1つは「過酸化水素」、もう1つは「ヒドロキノン」という物質です。
「過酸化水素」は我々人間の体内でも生成される有害物質で、「ヒドロキノン」は甲虫が殻を作るために使われている物質です。
この2つの物質は普段は別々ですが、攻撃を受けたりすると、キチン質(甲虫の殻のような硬いやつ)の部屋に流し込まれます。
この2つが反応すると高熱と「ベンゾキノン」という物質と水が生まれます。水が水蒸気になることで体積が一気に増大、悪臭がする「ベンゾキノン」とともに噴出されます。ミイデラゴミムシのおしりには、このガスの方向を定める「銃身」があり、方向を自在に変えることができます。なんだこの高性能な攻撃は。
このとき、ミイデラゴミムシの体はキチン質でできているのでダメージはありません。頑丈。
この「ベンゾキノン」、タンパク質と結合するので、人の皮膚に吹き付けられるとシミになりますし、ニオイがつきます。これは拭いてもとれず、新陳代謝によって皮膚が入れ替わるまで完全に消えることはありません。
スゴくないですか!?
どうやったらこんな生き物が生まれるんでしょう!? 体をフラスコにして化学反応を起こして爆発させることで敵を撃退しようなんてヘタな人間より頭良いじゃないですか!!
しかも「過酸化水素」も「ヒドロキノン」も、それほど珍しい物質ではないんですよ。でもこんな爆発を操る生き物はミイデラゴミムシをはじめとするゴミムシ類だけなんです。
なんというか……生命の奥深さを感じますね。
・ミイデラゴミムシ飼いたい! 生息地はどのへんで、まず飼育していいの? 幼虫は超グルメ。
日本の知らないところでありふれているミイデラゴミムシ、やっぱり飼育してみたい、生のオナラを見てみたいという方も多いです。
ミイデラゴミムシは湿気のある平たい土地に生息し、夜行性。昼間は湿った暗い場所に隠れています。多くのゴミムシ類と同様、腐肉が好きですが腐りすぎたものは食べません。グルメ。
なので、捕獲する際にはいわゆる「腐肉トラップ」を仕掛けるべきでしょう。田んぼの近くが有効とのこと。
また特徴的なのは幼虫時代なんです。
この幼虫は「オケラ(Google画像検索)」の巣穴に侵入し、オケラのタマゴしか食べないのです。オケラはたくさんのタマゴを「卵塊」として産むのですが、ミイデラゴミムシは卵塊の状態でしか食べず、卵塊をほぐして与えても食べないのです。親子ともどもグルメ~。
捕獲したミイデラゴミムシの産卵、繁殖は未だ成功しておらず、捕獲して飼育したとしてもそこまで観察するのは難しそうですね~……。
日本中にいるから探して飼ってみましょうよ! そして動画をアップしてください! 見ますから!