あ~もう早く15巻出ないかなあ!!
コレだから連載中のマンガはイヤなんだ……。待つ身は辛い……。
ゴールデンカムイシリーズでっす!!
今回ご紹介するのは「シマフクロウ」。(Google画像検索)
日本最大のフクロウにして、ひょっとすると世界最大かも? なんて言われている北の隠れた巨人です。
飛び立つ瞬間の勇壮な羽ばたき、猛禽ながら知的な顔つき……。フクロウって美しい×かっこいい素晴らしい生き物……(あれ? なんか最近姉畑支遁みたいになってきたな。獣○にはキョーミないんですけど)。
フクロウって特徴満載な生き物ですよね。
なによりもまず鳥とは思えないあの顔! 神と崇められ凶鳥として恐れられ……。鳴き声や生態によるものもあるんでしょうが、ただの鳥と思わせない「圧」があるのは間違いありません。
神か悪魔か「シマフクロウ」について見ていきましょう。
・アイヌの神「コタンコロカムイ」。シマフクロウとアイヌの関わり
シマフクロウはアイヌにとって大切な生き物です。
多くの生き物を「カムイ」として崇めるアイヌですが、
「コタンコロカムイ」、「村を守る神」という言葉で表現されています。
目と耳が利く巨大なシマフクロウは畏敬の対象だったのでしょう。
作中でキロランケも言及していますが、シマフクロウが鮭を捉えても柔らかいノドの部分だけを食べるので(いい暮らししてんなコイツ)、「神の鳥が人のために鮭を獲ってくれた」と考えられたんですかね。
またシマフクロウには「コタンコロカムイ」の他にも様々な名前があり、
「カムイチカプ(神の鳥)」
「カムイエカシ(神の翁)」
「コタンコッチカプ(村を守る鳥)」
「ニヤシコロカムイ(木の枝にいる神様)」
「コタンコル・トリ(村を支配する鳥)」
「アノノカカムイ(人間の姿の神)」
などなど……。めちゃくちゃ敬われてますね。しかもこのリストが一部にしか過ぎないというのもオドロキ。
アイヌにはヒグマ(キムンカムイ)狩り後に残された小熊を丁重に育てて神の世界に送る「イオマンテ」という儀式がありますが、シマフクロウもかつてはイオマンテで送られる神でした。
現在はこの習慣は廃れ気味で、なおかつ正確な記録がほとんど見られないということで幻の儀式となりつつあります。残念。
でもまあ食べるんですけどね。敬っているからこそ食べる。チタタプチタタプ。
・世界最大の可能性、シマフクロウの大きさはどのくらい? 鳴き声はどんなカンジなのか?
前述したとおり、シマフクロウは「世界最大とのウワサ」があります。なぜウワサ止まりなのかというと、最大のフクロウについて正確な情報があまりにも少ないからです。
まず今回の主役「シマフクロウ」の情報を。
「フクロウ目フクロウ科シマフクロウ属」に属しており、全長70センチ、体重は3~4キロほど。鳥は流石に軽いですね。
翼を開いたときの「翼開長」はなんと190センチにもなります!!
で、でけえ!
アシリパさんが「羽を広げたら杉元より大きい」とおっしゃっていましたがマジででかい!! 牛山さんくらいしか勝てないじゃないか。
そして他にも「世界最大」っぽいフクロウがおりまして。
北米やロシアに生息しているフクロウ科フクロウ属。
体重は1キログラム程度、翼開長は140センチと振るわないものの、最大全長は84センチが記録されています。まあ体重がシマフクロウの3分の1ですから、世界最大級ではあっても最大ではないでしょうね。
ユーラシア全域に生息。日本にも北方領土にごくわずかな留鳥の記録アリ。
全長72センチ、最大体重4キロ、翼開長は180センチにも及ぶパワフル猛禽です。自分の3倍の体重のシカを仕留めた記録もあり、これは世界最大級ですね~。シマフクロウとどっこいどっこい?
こんなサイズであんな顔の鳥が樹上からこっちを見てたらめっちゃ怖いですよね。良くも悪くも人間にいろいろ言われるのわかるなあ……。
さらに、フクロウは特徴的な鳴き声を出しますから余計ですよね。
シマフクロウの鳴き声は太い木笛のような「ボウボウ」という低音。オスとメスで鳴き声は違っていて、オスがボウボウと鳴くとメスが「ウォー」と返します。社交的。
・シマフクロウの生息地はどこ? 絶滅危惧種の巣はどんなところに?
シマフクロウは環境省によって絶滅危惧種に指定されています。
日本では北海道の一部、知床・根室・日高のみに生息。日本の外ではサハリンや千島、中国北東、朝鮮半島などに生息しています。
シマフクロウは主に魚食性で、魚はもちろんカエルなどの両生類やザリガニなどの甲殻類を食べます。他のフクロウと同様、小型の鳥類やネズミなどの哺乳類も美味しく食べます。普段はあまり昆虫を食べませんが、地域によっては飛行中のカブトムシも捕らえて食べることがあります。
この「魚食性」という特性上、シマフクロウの生息地には川や湖が必要です。さらに体が大きいので、巣として使える場所は非常に限られています。木のウロを好みますが、樹齢100年以上の大樹でなければシマフクロウにちょうどいいウロがありません。海岸近くの樹林では岩棚にも巣を作り、年に1回、冬に卵を生みます。
昨今、シマフクロウが住処にできる森や川が減少、広葉樹を好むシマフクロウに不適な針葉樹林の植林などで生息地はどんどん減っています。繁殖はじりじり進んでいるものの、生息地が減ってしまっていることから、あまり明るい未来が見えないですね……。
コタンコロカムイ、村を守る神はどうなっていくのでしょうか。