・ベニクラゲの不老不死サイクルの仕組み。ポリプってなんだ?
まず、クラゲの生殖方法について解説しなければなりません。
なるべくシンプルにしますので、頑張って最後まで見てください~。
ふつうのクラゲの一生
- 親から有性生殖で生まれる。(プラヌラ幼生)
- 岩などに付着して無性生殖する。(ポリプ)
- 成長したポリプから一部が分裂。漂いはじめる(これがエフィラ)
- エフィラは成長していわゆるクラゲの形に。パートナーと有性生殖してプラヌラ幼生を産んで、死ぬ
全力でシンプルにしてみました。もちろん例外のクラゲもいますが、なんとなくこんなカンジだとイメージしていただければ幸いです。
有性生殖と無性生殖をどちらも行うのはちょっぴり珍しいです。無性生殖(クローン)を行うので夏の海にはあんなにクラゲが出るんですね。クラゲが大好物の生き物も多いですから、とにかく数を増やそうという生存戦略なんでしょうか。
そしてベニクラゲの場合。
- ・親から有性生殖で生まれる。(プラヌラ幼生)
- ・岩などに付着して無性生殖する。(ポリプ)
- ・成長したポリプから一部が分裂。漂いはじめる(これがエフィラ)
- ・エフィラは成長していわゆるクラゲの形に。パートナーと有性生殖してプラヌラ幼生を産んで、その後ポリプまで若返る
なんと、死にません。
基本的にクラゲの親は、子を産むと溶けて死んでいくのですが、ベニクラゲはひと味違います。
子供を産んだあと、キューッと丸まってポリプになり、再び成長。
なんとまた有性生殖、子供を産むことができるのです!
そうして子供を産んだらまたポリプへ……。
これがベニクラゲの「不老不死」です。
ちなみに、産後だけでなく、体が傷ついて弱ったときにも若返りを見せるそうです。死にかけると若返ってやり直す、ってことなんでしょうか?
なにより驚くべきは、若返りに「制限回数がわかっていない」ことです。
京都大学でのベニクラゲの研究。不老不死解明で人間の未来も明るくなる…?
ベニクラゲに関して研究されている京都大学の久保田信准教授。
久保田准教授の実験ではなんと、10回もの若返りを確認!!
これは……ひょっとしたら若返りの回数は無制限なんじゃないですか?
このメカニズムが解明されれば、人類の未来は少しだけ明るくなるかもしれませんね。ちょっと怖いですけど……。
・不老不死のベニクラゲって一般人も飼育できる? 飼育方法は?
ベニクラゲは、全国様々な水族館で飼育・展示されています。
日本全国の海に生息しているので、特別に珍しい生き物というわけではないのです。海水をすくってみたらベニクラゲが入っているかもしれませんよ。
大変なのは、小さいクラゲなので探しにくいということでしょうか?
調べてみたところ、飼育に関する制限は見つかりませんでした。要するにゲットさえすれば飼育してもOKということですね。海水をすくいましょう。
飼育する際は、一般的なペットのクラゲ同様に気をつけることがあります。
クラゲは水質・水温の変化に弱いので、エサの食べ残しや水の汚れはちゃんとこまめに取り除いてあげること。ヒーターなどでクラゲが快適な水温を保つこと……(23℃くらいが良いとのこと)。
水やエサはペットとしてクラゲを扱っているショップで手に入れると良いでしょう。人工海水というキレイな海水が作れるものが売られています。
それと、当然ながら魚などと一緒の水槽で飼うと、食べられてしまうことが……。
いくら不老不死でも食べられたらお終いですので、気をつけてあげてくださいね。