カモノハシって結局何類? 卵を産む、毒を持つ哺乳類。

みなさんは哺乳類です。

たしか小学校で習いましたね。動物の分類。

哺乳類、鳥類、魚類……。色々な特徴がありましたね。

母乳で子供を育てるとか、卵を産むとか、エラ呼吸するとか、恒温動物とか変温動物とか……。

しかしながら、人間が考えているよりもずっと複雑なのが生き物です。私たちの基準では計れない奇妙奇天烈摩訶不思議な種類がたくさんいます。

さて、この分類の境界線に近い生物はなんでしょうか?

記事タイトルでわかっちゃいますか。そうですか。

そうです、「カモノハシ」です。

みなさん、カモノハシの何を知っているでしょうか?

なんだか平べったいクチバシがあり、毛が生えてて、卵を産む。あ、それとオーストラリアに生息してますね。このくらいじゃないですか?

あのヘンテコな見た目に騙されてはいけません。カモノハシが変わっているのは見た目だけではありません、知れば知るほどヘンテコな生き物なのです。

今回は、知名度のわりにあんまり詳しく知らない生き物、カモノハシについて見ていきましょう。

・哺乳類、鳥類、爬虫類……結局カモノハシは何類だ?

カモノハシはちぐはぐな生き物です。

モサモサ毛が生えてますし、足には水鳥のような水かき。平べったいクチバシ、つぶらな瞳……。

正直、見た目だけでは分類に悩みますよね。「カモみたいな水鳥が進化した」って本に書いてあったら信じちゃいます。かつて名前がちゃんと決まっていなかった頃には「カモモグラ」や「水モグラ」と呼ばれることもあったそうです。「鴨の嘴(かものはし)」というだけあって、やっぱり昔の人もカモっぽいと思ったんですね。

またややこしいのが、卵を産む「卵生」であることです。

卵生といえば鳥類や、ヘビ・トカゲなど爬虫類、魚類の特徴として知られています。

カモノハシって本当に鳥類なんじゃないか……? と思ってしまいますが。

実はカモノハシ、卵を産むのに母乳が出るんです。

でも乳首がないんです。

え? どこから母乳が出るのかって?

汗みたいに皮膚からダラダラ出ます。

もうめちゃくちゃです。

ワケがわかりません。常識を覆しすぎ。

あ、ちなみにカモノハシは哺乳類です。

実は「卵生」は哺乳類にも当てはまる特徴なんですね。と、言っても卵生の哺乳類はカモノハシと、近縁のハリモグラ類だけなんですけどね。

・卵生の哺乳類カモノハシ。実は「生きた化石」枠。

「総排出腔」という器官があります。ご存知でしょうか?

「総て(すべて)」を「排出」する「腔」と書きますが、その名の通りウンチとオシッコと卵、全てはココから排出されます。

ちょっとウエ~と思われるかも知れませんが、実は鳥類や爬虫類、両生類などの生き物ではごくごく一般的な器官なんですよ。

カモノハシは哺乳類の中でも数少ない「総排出腔」を持つ生き物です。

カモノハシ以外にも総排出腔を持つ哺乳類はいますが、それとは別にフンをするための肛門を備えていたりします。

カモノハシが特殊な点は、爬虫類などとほぼ同じ構造の総排出腔を持っていることです。このことも、カモノハシの分類がよくわからなくなってしまう要因です。

ほとんどの哺乳類は、人間がそうであるように子宮、膀胱、直腸の出口がそれぞれあります。

この3つが総排出腔につながっているのは主に鳥類や爬虫類ですから、当時の学者は実に混乱したことでしょう。

こうなった理由が研究された結果、

「カモノハシはすごく原始的な哺乳類で、

   ここから進化が分岐して

   他の哺乳類と別れた生物である」

という説が出ました。

なるほど、哺乳類の特徴が固まる前の生き物だということですね。

ちなみにカモノハシがこうなった時期は

推定2億年前。

この説が本当に正しいのかは今後も研究されていくでしょうが、他の哺乳類たちは総排出腔ではなく分離した排泄腔を獲得していったから、原始的なカモノハシだけは総排出腔が残っているとのことです。

……でもやっぱりヘンテコだなぁ。

ちなみにカモノハシの英名は「Platypus」。意味は「平らな足」。

え…そこ?
もっとほかにあるよね??

英名をつけた人も変わり者なのかな?

ちなみにちなみに、学名は「Ornithorhynchus anatinus」です。

・毒性の哺乳類カモノハシ。冗談みたいなホントのハナシ。

毒を持つ哺乳類ってなにか思いつきますか?

……ちなみに私は思いつきませんでした。スミマセン。

実際のところは「スローロリス」や「トガリネズミ」などが有毒だそうですが、カモノハシも毒を持っている哺乳類なんですよ。

カモノハシは後ろ足に「蹴爪」があるのですが、この蹴爪から毒を分泌して敵を攻撃するのです。

この毒はオスだけが持っているもので、繁殖期に多く生産されることから主にメスを巡るオス同士の争いで使われている、と考えられています。

しかしながら毒の効果は強力で、くらいの生き物なら殺してしまえるほどのパワーがあるそうです。

また、人間が毒を受けた場合、痛み止めが効かないほどの激痛が起こり、何日も痛み続けるという事例も……!

こんな危険な生き物なのに、カワイイキャラクターとかになって大人気なんですよ。なんなんでしょうね、カモノハシって。

カモノハシの哺乳類ばなれ(?)したもう一つの能力、「電気定位」

哺乳類なのに、卵を産んで、乳首もないのにミルクを出して、総排泄孔があって、毒がある。

もう、十分すぎませんか?

でも、まだあった!!
秘密はカモノハシの、カモのようなくちばしに!!
(実はくちばしはやわらかい!!)

って、上↑に書いちゃったので先に答えを言いますと、

電気定位(エレクトロ・ロケーション)

です。

カモノハシは水中でエビや小魚などをとらえて食べるのですが、彼らは水が濁っていても、暗闇でも、嗅覚が効かなくても!!電気定位の能力を使って狩りができるんです!

獲物が出す微弱な生体電流を、くちばしのセンサーでサーチ!!

すごいでしょ!

何がすごいかって、
一部の魚やサメ等しかこの能力は持っていないのです。

どこからどうやって手に入れたのやら…

本当にヘンテコを極めた生き物ですね。

・最後に

ヨーロッパ人がカモノハシを発見したのは今から200年以上前のことだそうです。

証拠としての毛皮などが本国に送られましたが、その見た目が奇妙すぎて

「コレは流石にニセモノだろう」

と疑われて、毛皮をジョキジョキ切り開かれて「縫い目」を探されたそうです……。それっぽい胴体に鳥の頭を縫い合わせたと思われたんですね。

カモノハシは日本の動物園で飼育されているの? 剥製は?

ちなみに、残念ながらカモノハシはデリケートでして、国際輸送に耐えられずに弱ってしまうことから、オーストラリアのみで見ることができます。

みなさん、カモノハシを見たくなったらオーストラリアへ行きましょう!

尚、剥製なら、日本にもあります。
東京上野の国立科学博物館 地球館1Fで見ることができますよ。

……最後までヘンな生き物ですね、カモノハシって。

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