・ダイオウグソクムシの寿命って? 水族館での飼育例。
寿命は不明です。
え? 雑? いやいや、しょうがないんですよ。深海生物はまだまだ研究が進んでいないんですから。
野生のダイオウグソクムシを観察し続けるのはいろいろな(物理的とか金銭的とかの)理由で不可能ですし、ましてや飼育されているものは基準になりません。まだまだ飼育方法は研究中ですから。
現在では、近縁の生き物から推測した「寿命40~60年くらいじゃない?」ということしかわかりません。
恐らく国内の飼育下ではもっとも長生きしたと思われるダイオウグソクムシは6年半。入館時に体長29センチ、体重約1キロだったことから入館前にある程度長い時間を過ごしていたと思われます。
そして、このダイオウグソクムシが飼育されていた場所こそ、前項で触れた
「鳥羽水族館」。
そしてこの6年半生きた個体こそ、日本で最も有名だったダイオウグソクムシだったのです。
・ブームの火付け役(?)鳥羽水族館。グッズ、バレンタインの悲劇……。
鳥羽水族館にダイオウグソクムシが初めてやってきたのは2007年のこと。
「№1」と名付けられた個体でした。まだまだダイオウグソクムシがメジャーではない時代でした。当時は本当にマニアしか知らないような生き物だったのです。
この№1が有名になったのには訳があります。みなさんも聞いたことがあるんじゃないでしょうか?
「絶食」です。
この№1、6年半飼育されていたにもかかわらず「6年間も絶食」していました。飼育3年目くらいから「エサを全然食べないダイオウグソクムシ」として注目を集め、そこからは「絶食がどこまで続くのか」というウォッチャーまで現れるほどでした。
こんなに大きな動物が何年間も絶食していることがまずショッキングですから、その記録が伸びるのを望む人、素知らぬ顔でエサを食べて安心させてほしい人、いろいろな人の思いがあったと思います。
しかし、飼育されて6年半、№1が死亡しました。この日はバレンタイン。大雪の中で召されました。バレンタインの悲劇。
ダイオウグソクムシ№1は、学術研究のために解剖、冷凍保存されました。死因はわかりませんでしたが、いつの日か№1がなぜ死んでしまったのか、解明される日が来るのでしょうか。
・ちなみに
大人気ダイオウグソクムシはグッズも充実してきております。(声高め)
鳥羽水族館ではかわいいダイオウグソクムシぬいぐるみ(特大)なんと6000円以上。特大だけあって実際のダイオウグソクムシに匹敵する52センチ。枕にもデカすぎる大ボリュームなぬいぐるみ。
グッズとして定番の「バッジ」「ステッカー」などはもちろん、
現代的な「スマホケース」なんかもありますヨ。
・さらにちなみに
ダイオウグソクムシは個人でも飼育できます。
特に禁止されてないので。
お値段20~30万円くらい。
飼育環境を整えるにも相当なお金がかかることが容易に想像できますが、大金持ちの方はご一考いかがですか?