「え? カタツムリ? 飼うの?」
そう思われるのも無理はありません、だって珍しい生き物でもないですもんね。
雨の日、大きめの葉っぱの上をのたりのたりと這っている姿に
「風情があるなあ」と感じたとしても、
「あ! カタツムリだ! 捕まえて飼おう!」となるパターンはあまり聞きません。
しかしながら「角だせ槍だせ目玉だせ~♪」と歌われているように、
非常に可愛い仕草の生き物なんです!
目玉を出したり引っ込めたりする姿はなんとも言えないスローな癒やしがあります……。
カタツムリは「見たことがない」「知らない」といった方はいないくらい親しまれている生き物ながら、実際に飼育までしたことがある方はなかなかいらっしゃらないと思います。そこで、手軽に、簡単にカタツムリをペットとして楽しむ方法をお伝えしようと思います!
・カタツムリの飼育はとにかく楽!
御存知の通り、カタツムリは非常に動作が遅い生き物で、足が遅い生き物の代名詞としてカメとともに有名です。
なので飼育箱の中でガサゴソ音を立てることもありませんし、エサを入れるときに脱走してタンスの裏に隠れることもありません。タンスの裏にカタツムリがいたらちょっと怖いですね。
手軽な飼育に必要なもの
・水槽などの飼育箱、網状のフタ
・飼育箱に入れる土と霧吹き
・隠れたり登ったりするための少し大きめの石や素焼きの器
ね? お手軽でしょう!
本格的な飼育箱を作ったとしても3000円くらい、お手軽に済ませるなら500円くらいで飼育環境を整えることができます。
・水槽などの飼育箱、網状のフタ
これは当然、カタツムリを入れておくためのおうちです。網状のフタは換気のために必要です。密封したら呼吸ができなくなっちゃいますからね。
オススメは水槽などですが、大きめのガラス瓶に茶こしをフタとしてくくりつけたものでも構いません。深さのあるタッパーのフタに小さな穴をたくさん開けてもOKです。
・飼育箱に入れる土と霧吹き
土を入れてあげると、カタツムリに必要な湿度を保つ効果があります。ときどき霧吹きで土や石を湿らせてあげましょう。乾燥はカタツムリの大敵です。でも、水浸しにしたら息ができなくなってしまうのでびしょびしょにするのはやめてくださいね。
土はカタツムリが大好きな腐葉土がオススメです。近くの森などから採取したり、ホームセンターで買ってきて底に敷いてあげましょう。採取した土は日光消毒してあげるとカタツムリにとって有害なカビや菌が発生しづらくなるので、なるべくやってあげましょう。湿気はあとで霧吹きしてあげましょうね。
・隠れたり登ったりする少し大きめの石や素焼きの器
みなさん、晴れの日にカタツムリを見たことは少ないと思います。それはカタツムリが乾燥に弱いため、日陰に隠れてしまっているからなんです。
なので石や素焼きを使って日陰を作ってあげるとカタツムリはそこを好んでくれます。石は拾ってくればいいですし、素焼きの器はホームセンターやペットショップに飼育用のものがお安く売っております。
また、カタツムリの飼育箱をどこに置いておくかによってカタツムリの生活は変わります。
カタツムリは冬眠をする動物です。なので、屋外や玄関などで飼育すると秋~冬は冬眠するかもしれません。寒い季節に陰に隠れて出てこない時は冬眠しているかもしれませんから、暖かくなるまでそっとしておいて上げましょう。気温の目安としては20℃以下になると冬眠の準備をはじめ、5℃くらいまで冬眠して耐えることができるようです。
ちなみに、冬も温かい室内で飼育する場合は冬眠せずに一年中起きているそうです。寒くなければ冬眠する理由もないんですね。
住み家は万全、OKです。次はカタツムリのご飯、エサですね。
カタツムリは植物を食べます。歯舌(しぜつ)というおろし金のような口で野菜を削って食べます。キャベツや白菜、レタスやニンジンなどを入れてあげるとショリショリと削って食べていきます。ニンジンを与えたときはフンもニンジン色になるのでちょっとカラフルな光景になります。
そして、なにより大事なエサが「卵の殻」。その秘密は後ほど明らかに!
・飼育に適した大きさは? カタツムリってどこに卵を産むの?
カタツムリはとんな大きさでも大丈夫! 飼いやすいですよ!
現在、日本にいる種類のカタツムリは大きいもので殻の直径が3~4センチ、殻から出た時の体長は10センチくらいです。私はそのくらいのサイズのものをかなり小さい水槽で飼っていましたが長生きしてくれました。
小さいサイズのものはジャム瓶サイズでも飼えますし、成長もゆっくりなので何度も飼育箱を作り直す必要もないです。
ただ、大きいものを飼うときはフタがしっかり固定できる飼育箱を使うことをオススメします。カタツムリといえどそれなりに力が強いので、壁を登り、固定されていないフタをこじ開けて脱走する場合があります。
・脱走しちゃったら……?
まあ、もし脱走したとしても慌てることはありません。カタツムリは逃げるのがヘタです。
まず、とにかく遅いです。ウニョンウニョンと体をくねらせて移動するスピードは時速50メートルくらいだと言われています。休み無しの全速力で1時間に50メートルです。そんなに遅いのです。
「うわっ、ふと見たらカタツムリがフタを持ち上げてる!」
落ち着いてカタツムリを飼育箱に戻してフタを閉めましょう。それで解決です。フタの端をガムテープなどで留めれば完璧です。
「うわっ、朝起きたらカタツムリが脱走してる!」
明かりを点けましょう。カタツムリが這っていった跡は光っているので、どこに逃げたかすぐにわかります。
こういったのんびりした所も愛嬌があってかわいいです。
・カタツムリの卵って?
夏、ある程度大きいカタツムリは卵を持っている場合があります。また、複数匹を同じ飼育箱に入れておくと卵を作ります。繁殖ですね。
カタツムリは卵を土の中に産みます。なので、もしも繁殖させたくないときは土を入れずに飼育するといいでしょう。
動物を飼育するときに飼い主が大変なこと、と言えば繁殖です。さて、カタツムリの繁殖はどうやって成功させるのでしょうか?
それは次の項で明らかになります!