けものフレンズの公式ホームページには、「けもフレ図鑑」なるものがあります。
各動物といいますか、各キャラクターの詳細を見ることができるわけですが、学名やレッドリストという普段聞き慣れない単語が出てきます。
「種類」はサーバルなら「サーバル」と書いてあるかと思いきや、『哺乳綱ネコ目…ナントカカントカ…サーバル』です。どういうこっちゃ。
これらはどんな意味なのでしょうか?
けもフレ図鑑の「学名」って何?ハシビロコウの学名の意味は『王』!? トキの学名は少し悲しい…
学名とは、世界共通でつけられた生物種の名前です。
「カラス」といってもハシブトガラスもハシボソガラスもいますし、海外で「karasu」と言っも通じません。国内ですら地方によって同じ生き物でも呼び方が違ったり、出世魚なんてものがいたりするので、はっきり特定できる名称が必要なのです。
(国内標準の名称は標準和名と言います。けもフレ図鑑の一番上の文字がそれで、す。ちなみに隣の小さいアルファベットは英名、その名の通り英語名のようです。)
こんなわけで学名があります。
学名は命名規則があります。
・ラテン語を使用すること
・属名 + 種小名 とすること
・斜体 とすること、斜体にできない場合は下線を引くこと
※属名、種小名については次項で説明
いまどきラテン語もGoogleさんが訳してくれるので、気になるものは調べてみてはいかがでしょうか。ただ、命名者の名前がつけられていたりするので必ずしもわかるとはかぎりません。
私が気になった、動かない鳥ハシビロコウの学名は Balaeniceps rex 、属名の意味はわかりませんでしたが、種小名 rex は「王」だそうです。なるほど…
トキの学名は、その名も Nipponia nippon 。国内で一度絶滅してしまったのが悲しいところです。
おっと、ここでけもフレ図鑑に誤りを発見してしまいました!
学名が斜体になっていないし、下線もないではありませんかーー!
けもフレ図鑑の「種類」:分類群をサーバルちゃんを例に説明!
生物の分類体系は、小さいものから
種、属、科、目、綱、門、界、ドメイン
となっています。
これだけではなんのことやらという感じですが、
学校で例えるなら、
生徒A(種)は、A組(属)にいて、2学年(目)で、××県立○○学校(綱)の生徒で…
みたいな感じです。
サーバルちゃんはというと、
真核生物 動物界 脊椎動物門 哺乳綱 ネコ目 ネコ科 ネコ属 サーバル
です。
けもフレ図鑑には「綱」以下が書かれているというわけです。
分類群のお話については、「クジラ偶蹄目」など、ツッコミたい分類群がいるのですが、こちらは別の機会にしたいと思います!
さて、ここまででせつめいされていない「亜種」の存在にお気づきでしょうか。
「種」の下の分類群で、種として分けるほどには相違点がないものが亜種で、交配も可能です。学名には、属名 + 種小名 の後ろにもう1つ単語(亜種名)がくっついています。
キタキツネ、ギンギツネがこれで、アカギツネの亜種ということになります。
けもフレ図鑑「レッドリスト」:その意味とアルパカ・スリに記載がない理由
レッドリストというのは、絶滅の危機にある野生動物のリスト、正式名称は「絶滅のおそれのある種のレッドリスト」です。
IUCN(国際自然保護連合)が作成しており、けもフレ図鑑中にも「IUCNによる保全状況(Ver.3.1)」とちゃんと書かれています。
けもフレ図鑑にはなぞのアルファベット2文字が7つあります。
その意味はこうです。
EX = Extinct = 絶滅
EW = Extinct in the Wild = 野生絶滅
CR = Critically Endangered = 絶滅寸前
EN = Endangered = 絶滅危惧
VU = Vulnerable = 危急
NT = Near Threatened = 準絶滅危惧
LC = Least Concern = 軽度懸念
CR、EN、VU の3つが絶滅の危機にある生物たち。
NT、LC は比較的心配の少ない種です。
これらはデータがあって評価ができる生物が振り分けられており、レッドリストではデータがないものはDD、未評価のものはNEとなっています。
判定基準には、個体数・成熟個体の数・減少率・分布が分断されていないか・生息地面積などがあり、さらに種の特性によって判定の際に様々に考慮すべき点があり、かなり複雑です。
また、そもそも飼育動物で野生個体がいないアルパカ・スリなどはレッドリストには載っていません。
けもフレ図鑑では、伝説の生物などが UMA(未確認生物)となっています。まじめすぎないところもいいですね。