子供の頃、恐竜が好きだった大人へ。
恐竜に羽毛が生えていたという話はニュースなどで聞いたことがあるかもしれません。
最近は子供向けの絵本にも、研究の成果が反映されています。
かつて夢中になった絵本。
同じ恐竜の時代を描いたものが、今や別世界となっています。
恐竜の絵本に見る「トカゲ世代」と「鳥世代」
絵本を見ると、子供の頃が思い出されて思い出に浸ったりできそうなものですが、恐竜の絵本に限って言えば、どうやらそれはできないようです。
今回は大人がこれを読んでいると仮定してお話を進めていきます。
我々大人が子供の頃読んだ恐竜の絵本。
そこに描かれているのはうろこで覆われた生き物でした。
かの有名な、ティラノサウルスにトリケラトプス、石頭のパキケファロサウルス、巨大なブラキオサウルス、大きな鉤爪を持ったデイノニクスなどなど。
恐竜の他に、親戚筋に翼竜(プテラノドンとか!)や魚竜(イクチオサウルス…懐かしくなってきたでしょ?)がいたり。
唯一羽毛が生えていたのは始祖鳥くらいのものだったのではないでしょうか。
このように、いわゆる「恐竜」が爬虫類的に描かれた絵本に触れていた世代を、私は勝手に『トカゲ世代』と名付けます。
トカゲ世代の皆さん…今や絵本の中の恐竜は羽毛をまとっています。書店で絵本を覗いてみてください。懐かしいものに出会えると思ったら大間違い。
現代の子供達は『鳥世代』なのです。
こちらは有名なシリーズの1冊です。近年の作品は羽毛恐竜が登場します。
ちなみに、トカゲ世代の中でも恐竜が直立し尾をひきずって歩いているのがおなじみの世代と、体を水平にし尾を長々と空中に伸ばした軽やかな姿がおなじみの世代とがいると思います。
前者をまたまた勝手に『ゴジラ世代』と呼んでおきます。
整理しておくと、
ゴジラ世代 → トカゲ世代 → 鳥世代
です。
整理したわりに大した意味はありません。
今時の絵本を見たらどのくらい驚くか、の順番くらいかな。
恐竜の絵本の行く末は?
絵本は子供向けといえど、(いやむしろ、教育の観点から子供向けゆえに、かもしれません)科学的に明らかにされたことを反映してきました。
今後、恐竜の絵本はどんな進化を遂げるのでしょうか?
恐竜の研究に欠かせないのが化石ですが、近年この化石から恐竜の色彩が明らかにされつつあります。
また、ミイラ化した恐竜の化石が見つかるなど、皮膚の様子もわかってきました。
比較的鮮やかでカラフルな着色をされがちな現在の絵本ですが、想像の域を出なかった色彩などが解明されることによって未来の絵本は地味になるかもしれませんし、逆に想像を超えた鮮やかなものになるかもしれません。
あ、ちなみに(ちなみにが2回目ですが)、今見られるような「花」を咲かせる植物が現れたのは恐竜の時代が終わる頃なので、恐竜の絵本のほとんどにいわゆる花は出てこないでしょう。(植物の研究進捗も見どころです)
彩りを添える花が出てこない、青々というか緑々したその世界に地味な恐竜というのではなかなか絵にならないですから、派手で美しい恐竜がいて欲しいですね。
こんなところにも着目してみるのが、大人の絵本の楽しみ方の一つではないかと思いますよ。