毒性のある鳥「ピトフーイ」。伝説の「鴆」!? その生態とは

毒◯。

みなさん、この◯になにが入ると思いますか?

毒虫。

毒ヘビ。

毒草。

毒ガエル。

毒魚。

毒トカゲ。

いろいろありますよね。

しかし今回は毒鳥です。

「鳥に毒?」

ピンとこないと思います。鳥に毒のイメージはないですよね。むしろ毒虫なんかをついばんでいるイメージだと思います。そもそも、有毒生物は基本的に捕食者から身を守るために毒を身につけているわけですから「飛んで逃げればいいのに」と思わないこともありません。残酷な意見。

そんな謎レア生物である毒鳥「ピトフーイ」

今回はこれについて少し見てみましょう。

・「毒鳥」ピトフーイ。「鴆」の伝説の元ネタ!?

中国の古い文献に「鴆毒(ちんどく)」という言葉があります。

これは暗殺などに用いられたとされる毒で、無味無臭かつ非常に強力なものだったとされます。

この「鴆(ちん)」が伝承に確かに残る「毒鳥」です。

この「鴆」の羽をお酒に入れておくと鴆の毒が酒に染み出し、毒酒になるので貴人の暗殺などに使われた……。とのことです。

伝承にある主な症状

  • 意識混濁
  • 体の震え
  • 内蔵に甚大な障害
  • 神経の麻痺

……なんとも凶悪な毒ですね。ちなみに「痛みもなくスンナリ死ぬ」というものもあります。こういった定まらない情報は伝承あるあるです。気にしないで行きましょう。古い文献なんてそんなもんです。

この「鴆」はその毒性から様々なエピソードが記録されており、

畑の上空を飛んだら作物が枯れたとか、

好物の毒蛇が石の下にいたからフンを落としたら石が割れたとか、

鴆の毒を恐れた皇帝が鴆が住んでいる山をまるごと焼いたとか。

しかしながら、中国の古い伝承には冗談みたいな化け物が数多く出てきます。

鴆の伝説についても書かれている「山海経」という書物があるのですが、人面ウシやら九尾狐やら竜なんかがナチュラルに「いるよ!」と書かれています。また、毒を持つ鳥が実際には長いあいだ発見されていなかったこともあって、鴆の伝承も完全に作り話であると思われていました。

しかし!

1990年にニューギニアで発見されたピトフーイこそが!

世界初となる有毒の鳥だった!

そのため、すっかり諦められていた鴆の伝承について「事実である可能性が生まれた」という2000年間に渡る鴆の歴史の中で最もセンセーショナルな出来事だったのです!

ピトフーイと鴆の関連性についてはいろいろな視点から考えられていますが、ぶっちゃけ「同じではない」とみなされています。

外見ひとつとってもピトフーイは黒とオレンジの体色・体長20センチくらいの鳥なのですが、鴆は緑色の羽を持っているとされ、ワシのような猛禽類であるとされています。そもそも鴆の生息地は中国の山中であるそうですが、ピトフーイはニューギニアの固有種なのでこの2つを同じものだと考えると因果関係がグチャグチャになってしまいます。

ただ、ピトフーイがもとである伝承が長い年月によって変質していった、という苦しい言い訳があります。伝承には尾ひれがつくものなので、本来の元ネタからかけ離れてしまうことは往々にしてあります。

さて、どう思いますか?

ピトフーイは鴆でしょうか? それとも違うんでしょうか?

次項ではいよいよピトフーイという鳥について見ていきましょう。

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