ルールルルー。
ゴールデンカムイシリーズです。
いやー北海道の生き物って意外に知られてないんですねー。生まれてこの方北海道なので大自然の感覚が麻痺してるのかもしれません。
「北の国から」はお好きでしょうか?
倉本聰さんの大ヒットドラマですね。北海道富良野市を舞台にしていて、未だに富良野には北の国から関係の観光客が雲霞の如く押し寄せてきます。ラベンダー畑。ほたるー。
そして北の国からといえば
かわええ……。イヌっぽいけどイヌではない特別なかわいらしさ。
モフっとしてるのは冬毛、シュッとしてるのが夏毛の姿ですね。我々がよく知るのは冬毛でしょうか。やっぱりモフモフはかわいいですからね。
そしてキタキツネは「キケン! 触るな! エキノコックス!」というイメージでも有名ではないでしょうか。かわいいからって触っちゃダメ! でもまあエキノコックスって結局なんなのかまで詳しく語られることは少ないです。
さあ今回は北の人気者「キタキツネ」について見ていきましょう。
・北海道の愛され動物。ゴールデンカムイではイマイチ不遇なキタキツネ。
かわいいかわいいキタキツネですが、ゴールデンカムイ上ではイマイチ不遇な扱いを見せています。
せっかくキツネ用の罠を仕掛けたのにシライシがかかったせいで登場できなかったり……。油樽と釘の罠で捕獲されたときには料理される描写もなく毛皮が売られてしまったりしてあんまりフィーチャーされていないんですよね。アシリパさん、食べるって言ってたのに……。
お肉は美味しくないらしいので、しょうがないんですかね。楽しみでしたけど。今シリアスだからキツネ食べそうにないしなあ……。
キタキツネは
「食肉目イヌ科キツネ属アカギツネ亜種キタキツネ」。
北海道、樺太、そして近くの島に生息しています。
アカギツネは北米大陸やユーラシア大陸の広範囲、アフリカ大陸北部など広範囲に生息するキツネ。移入によってオーストラリアにも生息しています。
本州以南に生息するキツネもこのアカギツネの亜種で「ホンドギツネ」といいます。
ホンドギツネとキタキツネは非常に似ているのですが、キタキツネのほうが一回り大きくなること、そして足先の黒みが多いことが見分ける特徴です。
食性としては肉食ベースの雑食性で、ネズミやウサギなどの小動物・鳥や昆虫、果物などを食べます。
キタキツネは頭がよく、人間の車に近寄ってエサをねだるものも多く、ドラマや映画の影響で観光客が餌付けしてしまうことがちょっとした問題になっています。
なんせ、野生のキタキツネには「エキノコックス症」の疑いがありますからね。
・キタキツネと関わりの深い病気「エキノコックス」ってなんだ?
キタキツネの代名詞ともなっている「エキノコックス」。名前は覚えやすいんですが、これがいったいなんなのかは意外と知られていない、と思います。世間的にはキタキツネと触れ合うのはレアですからね。
エキノコックスは寄生虫であり、
これによって引き起こされる症状を「エキノコックス症」といいます。
まあ、どちらも「エキノコックス」とひとまとめにされることもあります。
人間に対する症状としては、寄生虫エキノコックスが(主に)肝臓に寄生することによって発育し、肝機能障害を引き起こすことです。まれにですが肺や脳に寄生することもあり、手術で取り除いた場合ですら死亡例のある極めて危険な感染症です。
キタキツネはエキノコックスの宿主になることがあり、キタキツネのフンに含まれるエキノコックスの卵が川や雨で流され、誤って人間がそれを経口摂取してしまう、という経路が多くあるようです。
キタキツネが悪いわけではないんですが、安易に可愛がるとエキノコックスのしっぺ返しを食らうかもしれません。どう防いでいけばいいのでしょうか?
・キタキツネから感染する! エキノコックス症を防ぐためには
前述したようにエキノコックスは主にキタキツネのフンが由来で人間に感染します。
当然のことですが、
- 「手洗いの徹底」
- 「生水を飲まない」
- 「あまりキタキツネに近づかない」
- 「キタキツネが生息している付近の山菜などは加熱してから食べる」
などなど、経口摂取しない努力が大切です。
エキノコックスは熱に弱く、60℃×10分の加熱でも死滅します。茹でこぼしや煮込みなどが適している調理ですね。
日本では毎年20名程度の感染が報告されています。
キタキツネがかわいいのはいいとして、そっと見守って楽しむことが適切な付き合い方なのかもしれません。