誠に遺憾であります。
国会答弁みたいな開幕ですみませんが、私は不満です。
ウツボに対する世間の評判についてです。
「海のギャング」。一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
「海のギャングと言えばウツボ」
「ウツボは凶暴でこわい」
「ウツボを食べようとは思えない」
ちょっと待って!
ウツボのスペックをわかってあげてください!
世が世ならペットとして大人気になるレベルの可愛さ、
高級食材になる食味を併せ持つスーパーフィッシュですよ!
そんな過ぎた情熱を持ってお送りします「ウツボ」!!
見ていきましょう!
・ウツボはかわいいんだー! 日本のウツボの種類をご紹介!
ウツボを「怖い」とか「ゲテモノ」と感じるのは、ウツボのことを知らないからです。
「海のギャング」という異名からなんとなくイメージで怖がっていてはダメです。おのれマスメディア……!
汚名返上すべく、まず基本情報を見てみましょう。
・ウツボの分類
ウナギ目ウツボ亜目ウツボ科
ウツボってウナギの仲間なんですよ。知ってました?
ウナギ目はウナギ亜目・ウツボ亜目・アナゴ亜目に分かれています。ウナギとアナゴの仲間なんですよ。平和平和! 怖くないです!
後述しますが、ウナギやアナゴのようにすごく美味しい魚なので、太平洋側では食べる地域も多いです。暖かい地域に生息するので、日本海側ではあまり見られないんですね。
サンゴ礁や岩礁、一部では汽水域(海水と淡水が混ざった水)や淡水にも生息できるタフなボディの持ち主です。
さらにすごいのは、なんと30分程度なら陸上活動ができるんです!
ウツボは粘液を出して体を保護するのですが(これもウナギの仲間っぽいですね)、粘液をまとっている状態なら皮膚呼吸することで活動が可能です。
というのも、ウツボは嗅覚が鋭敏なので磯で釣った魚をさばいている時にズルズル這い上がってきます。食いしん坊ですねー(最大限のフォロー)。
ウツボがいる地域では、釣った魚をその場でさばくのは危険ですので気をつけてくださいね。
「なんだ、やっぱり危険なんじゃん」と思わないでくださいね!
・日本にもいるこんなウツボたち
ウツボと聞いて思い浮かべるのは、
きっと黄色と黒の虎縞みたいな模様じゃないですか?
あれは「ウツボ亜科ウツボ属ウツボ」。数あるウツボの1種に過ぎません。
ウツボは暖かい海に生息しているからなのか、個性的な模様を持つ種類が数多くいます。その一部をご紹介しましょう。
・ゼブラウツボ
名前の通り、黒っぽい地に白い縞模様がある白黒ウツボ。カラーリングのポップさからペットとしても人気がありますよ。
・トラウツボ
赤褐色ベースに淡い色のマダラ模様があるウツボ。トラというよりヒョウみたいな柄で、日本だけでなくハワイなどにも生息しているアロハなウツボです。
・ハナヒゲウツボ
名前が妙にファンシーなカラフルウツボ。鮮やかすぎるブルーとイエローの配色がゴッホの絵画のよう。鼻の先にある鼻孔チューブの先端が花のように開いているのが特徴。
コレ、驚きなのは全て日本にも生息してる種類なんですよ。
さあ、画像を検索してファンタジーなウツボに魅了されましょう!
・ウツボの魅力たっぷりのボディ!
ウツボ最大の魅力はやっぱり「顔」。
大きな目、半開きの口、
「ポカーン」という擬音がピッタリの表情!
いいカンジにバカっぽくて愛嬌のある顔つきをしてるんですよ~。
体型が似ているヘビとは違って白目が大きく、種によっては口が閉じられない(!)子もいるので余計にアホ面。常に「ポカーン」としてるんですよ。
危険なので絶対に真似してはいけませんが、
ある女性ダイバーが餌付けしたところ、ウツボは彼女のことを覚えて懐き、噛みつくどころか優しく巻きついた、という事例もあります。インターネット上で動画が公開されてますよー。
まるで大型犬のように懐いて擦り寄ってくる姿、これはハンドリングできれば(できないけど)ペットフィッシュとして大人気になる可能性が……?
次項ではウツボのビックリギミックを紹介しますよー!