クレイジーネーム四天王最後の刺客がやってきた!!
トゲアリトゲナシトゲトゲ!!
今回、諸事情により画像検索をつけておりません。理由は後述。
日本が誇るクレイジーネーム四天王、
スカシカシパン
ハダカデバネズミ
スベスベマンジュウガニ
そしてトゲアリトゲナシトゲトゲ。
も~アホすぎて脱力と乾いた笑いがこみ上げてきますね。ギャグか。日本のみならず「なぜこんな名前を……」と思ってしまうクレイジーネームは枚挙に暇がありませんが、その中でもトップクラスのグダグダ感。
トゲアリ、トゲナシ、トゲトゲ……。
結局どうなのよ? まずお前は何者なのよ? 一体どこからツッコんでいいのか……。
トゲアリトゲナシトゲトゲ、この名前にはトゲとかいろいろうっちゃって余りあるミステリーが秘められていて……。
有為転変は世の習い(?)、「トゲアリトゲナシトゲトゲ」について見ていきましょう。
・「トゲアリトゲナシトゲトゲ」名前の由来・学名は? 元は……「ハムシ」!?
トゲアリトゲナシトゲトゲ、名前からどんな生き物なのか見えてこなさが尋常ではないですね。トゲトゲしているのかどうかすらわかんないですからね。トゲナシだし。
そもそも、どうしてこんなクレイジーな名前になったのかをなぞってみましょう。
まずいたのが「ハムシ」(Google画像検索)。羽虫ではなく葉虫。葉っぱを食べることから葉虫……。けっこう多くの虫はそーでねーか? この「ハムシ」は甲虫の仲間で、ちっちゃくてツノがないカブトムシみたいな虫です。あんまりメジャーではないけれど日本中に仲間がいるステルスメジャーな虫。
「ハムシ科」に分類されているハムシの仲間に「トゲハムシ」(Google画像検索)があります。
このトゲハムシのかつての和名こそ「トゲトゲ」。トゲトゲしてるからでしょうね。
アホか。
せめて「トゲトゲハムシ」とかにしとけばいいのに……。そうして誕生した「トゲトゲ」。しかし研究が進んだとき、トゲのないトゲトゲが発見。
「えっ、マジで……。このトゲトゲ、トゲがないじゃん……」。
「トゲナシトゲトゲと名付けるか……」
いやいやいやいや。
アホの上塗り!!
この時点でだいぶおかしい!!
トゲナシトゲトゲ、一応正式な和名なんですよ、こんなんでも。研究者の方々は研究し過ぎで脳に糖分が足りなかったのでは!? あるいはそういう人だから研究者になれたのか?(暴論)
そうして誕生したのが「トゲナシトゲトゲ」(Google画像検索)。もうこれただのスベスベハムシなんですけど。
そして更に発見されるのが、「トゲがあるトゲナシトゲトゲ」。
すなわち「トゲアリトゲナシトゲトゲ」なのです。
もーヤケクソだな。ハッハッハッハッ……。
しかしながら、
トゲアリトゲナシトゲトゲは正式に存在してはいないのです。
どういうことかと申しますと、正式な和名として「トゲアリトゲナシトゲトゲ」という名前は存在しないのです。
まず、トゲトゲにしろトゲナシトゲトゲにしろ、「ややこしい」「トゲナシトゲトゲはおかしい」という理由から若干マトモな名前が和名として用いられることがあります。トゲトゲは「フタイロトゲハムシ」、トゲナシトゲトゲは「フタイロホソヒラタハムシ」という和名が使われているようです。
トゲアリトゲナシトゲトゲは実在性が疑われています。
そもそも学名すら不明なんですよ。「本当はトゲアリトゲナシトゲトゲなんていないんじゃないか」とすら噂される始末。
名前だけが長い間独り歩きしている状態でして、「トゲアリトゲナシトゲトゲ」の名前は専門書数冊に掲載されているだけです。その本には別名として「ベニモントゲホソヒラタハムシ」との記載が。ちなみにこれを調べてもトゲアリトゲナシトゲトゲしか出てきません。どうなってんだ。
どうにも「トゲアリトゲナシトゲトゲ」はごく一部で用いられている俗称で、正式な和名として登録はされていないです。そもそもトゲアリトゲナシトゲトゲの発見年や発見者の情報も一切ないことから、研究者や昆虫マニアの間で突発的に流行した悪ふざけ半分の名前ではないでしょうか。「トゲナシトゲトゲなのにwwwwトゲがあるwwwwwトゲアリトゲナシトゲトゲwwwww」みたいな。ノリで。
こんだけ有名になったんだから誰かおせーてー。詳しいひとー。
・トゲトゲ、トゲナシトゲトゲ、トゲアリトゲナシトゲトゲ。この3つの違いは結局なんなのか?
さて、ミナサマそろそろ「トゲ」がゲシュタルト崩壊してきたんじゃないでしょうか。奇遇ですね、私もです。
さて、トゲトゲ、トゲナシトゲトゲ、トゲアリトゲナシトゲトゲ。もうグチャグチャでよくわからない3種ですが、具体的にどこが違うのか? 万一発見したときのために知っておきたい(?)ですよね?
まず、通常のハムシはツルツルのスベスベ。
トゲトゲは背中全体にトゲが生えています。
トゲナシトゲトゲは、トゲトゲからトゲをすべて抜いた見た目。
トゲアリトゲナシトゲトゲは、トゲナシトゲトゲにお尻の部分にちょっとだけトゲがあります。
つまり、全体がトゲトゲしているのが「トゲトゲ」。
トゲがないのが「トゲナシトゲトゲ」。
ちょっとだけトゲがあるのが「トゲアリトゲナシトゲトゲ」。
名前、思ったより正しいんですよ。「トゲトゲ」からトゲがなくなったら「トゲナシトゲトゲ」。
「トゲナシトゲトゲ」からちょっとだけトゲが生えたら「トゲアリトゲナシトゲトゲ」……。
つまりトゲトゲとトゲアリトゲナシトゲトゲはぜんぜん違うんですよ。少なくとも見た目はね。
・「トゲアリトゲナシトゲトゲ」の生息地はどこ? 日本? アジア?
わかりませーん。
学名も発見者も発見年も発見場所もよくわかってないんですよ。存在してるのかもよくわからないし。
「九州に生息」「東南アジアに生息」という断片的な情報はあるものの、「○○で発見!」というような確たる証拠がないんですよねー。
ハムシの仲間は世界中に分布しているので、いったいぜんたいどこに生息していることやら……。なんとなく草むらガサーっとやってみたら見つかりそうなベタな見た目してるんですけど……。
もし「トゲがあるトゲナシトゲトゲ」を発見したら昆虫に詳しい人に見せてみよう! ひょっとしたらトゲアリトゲナシトゲトゲかも!!
[…] なんか前にそんな名前の虫、いましたね。 トゲアリトゲナシトゲトゲ。 […]