いろいろなサケ、「紅鮭」「銀鮭」「サーモントラウト」…違いはあるの?

スーパーに並ぶいろいろな”サケ”たち。

あなたは違いを知っていますか?

紅鮭・銀鮭・サーモントラウトは違う種類の魚だった

最初に、スーパーに並ぶサケたちの、学問的な本当の名前(和名と学名)はこちらです。

「紅鮭」
和名:ベニザケ
学名:Oncorhynchus nerka nerka

「銀鮭」
和名:ギンザケ
学名:Oncorhynchus kisutch

「鮭/シロザケ/アキアジ」
和名:サケ
学名:Oncorhynchus keta

「サーモントラウト/トラウトサーモン」
和名:ニジマス
学名:Oncorhynchus mykiss

「キングサーモン」
和名:マスノスケ
学名:Oncorhynchus tshawytscha

「アトランティックサーモン」
和名:タイセイヨウサケ
学名:Salmo salar

サケ

みなさんおなじみ、あの「サケ」です。
北海道では「アキアジ(秋味)」なんて呼ばれ、サケ関連のイベントもちらほら。

ヤヤコシイ話をすると、秋の遡上前のものを秋味、初夏に獲れるものをトキシラズ(時不知)、未成熟状態で獲れたものをケイジ(鮭児)という呼び方をします。

さらに、アイヌ語では「カムイチェプ」、神の魚という意味の言葉で呼ばれます。鮭が不漁の年は餓死者も出たと言いますから、非常に重要な魚なんですね。

さて、この鮭、みなさんが知っている(と思われる)銀色ピカピカの姿が全てではありません。

遡上時には体が黒ずみまだら模様が出てきます。ブナの樹皮に似ていることから、「ブナ」「ブナ毛」と呼ばれます。この頃になると、遡上時に体を守るために、うろこが剥がれにくくもなっています。

ある程度遡上のある地域なら、橋の上から川を覗き込むと、泳いでいるのが見えますよ。
札幌市内を流れる豊平川でも見られます。

キングサーモン

まず名前がすごいですが、名前負けしてません。

最大全長1.5mにまでなります。体重は60kg。
人間サイズですよ。サーモンが。味も絶品です。

北米に多い魚で、釣りでも人気のようです。
いちどこんなに大きな魚を釣って、食べてみたいですね。記念に魚拓や剥製にするのも良いかも…

アトランティックサーモン

アトランティックサーモンだけ学名がちょっと違うのにお気づきでしょうか。

学名の前半は「属名」、後半は「種小名」とよばれます。
全てサケ科のお魚なのですが、属名が違っているということは、その中でもちょっと親戚関係としては遠いということです。

アトランティックサーモンは、お刺身や生の切り身で見ることが多いですね。名前の通り海外のお魚なのですが、がんばって(?)空輸されてくるので、こうして新鮮なものを食べられるんですね。脂が乗って美味しい魚です。個人的には一番好きかもしれないですねー。

それから、「ニジマス」って見えますね。サケだと思っていたあの切り身は、実はニジマスだったんですよ〜(詳しくは後述で!)

紅鮭とは?その名の通り真っ赤になる魚だった!

真っ赤というのは身の話ではないですよ(身は綺麗なオレンジ色です)。

ベニザケもいわゆる「サケ」同様、川で生まれて海に下って育ちまた遡上して産卵するという部分は同じです。

ただ、サケと違うのは、途中に湖がある川の、その湖の上流へ遡って産卵するという点・海まで降らずに湖で成熟するものがいる点・生まれてすぐに海に降らずにしばらく湖で過ごす点です(湖で成熟したものはヒメマスという)。

カラフトマスの回でも書きましたが、ベニザケも海洋生活中は銀色で形態もふつうの魚の魚型です。

これが遡上して成熟していくとともに、頭は深いオリーブ色に、体は真紅に染まっていきます(クリスマスカラー!?)。オスは背が盛り上がり、鼻が伸びて曲がります。

スーパーに並ぶのは塩蔵品が多いです。実は日本には少ない魚なので、鮮魚あまり出回らないのでしょう。脂肪分が多く、とても美味しい魚です。

実はニジマス。サーモントラウト/トラウトサーモン

ニジマス。

20cmちょっとのニジマスが、塩焼き用などで売られていることがありますね。

でも、鮮魚コーナーの少し離れたところにあるオレンジ色の切り身、これもニジマスだったりします。

こんなに大きくなるの!?と思うでしょう。
ニジマスというと淡水魚のイメージですが、海に降りるものもあり、そうすると大型化するのです。サケみたいですね(まあニジマスもサケ科サケ属ですからね)。

海で養殖されたニジマス=サーモントラウトが、まるでサケのように(まああながち間違ってもいないですが)切り身になって店頭に並ぶというわけです。

味は…サケや紅鮭の方が美味しい…と私は思いますよ。サーモントラウトも美味しいですけどね。比較の問題で。