ややこしや~、ややこしや~。(©NHK。たぶん)
タイトル書いててワケわかんなくなってきましたが、ウソじゃなくてホントのウソの話です。こういうこというからややこしくなるんですね。
え~とにかく今のままだとややこしくってしょうがないので手早く今回のテーマへ。
今回ご紹介するのは「ウソ」。(Google画像検索)
ねー、シンプルにクレイジーですよね。「ウソ」。まさかカタカナで「ウソ」を検索して出てくるのがこんな趣のある小鳥だとはなかなか思わないんじゃないですか?
黒、白、灰、そしてオレンジが美しいバランスで調和していて、ふっくらとしたフォルムはさながら熟練の和菓子のように愛らしいファンタスティックな小鳥、それがウソ。
なんだか水墨画とか俳句なんかのモチーフになるのが似合うキレイな鳥ですが、ある1点、人間にものすごく嫌われている「害鳥」の1面も……。
今回は「嘘か真か」、「ウソ」について見ていきましょう。
・「ウソ」ってどんな鳥? 桜と深い因縁が……?
「ウソ」。漢字では「鷽」と書きます。流石に「嘘」じゃないですよ。
ウソは「スズメ目アトリ科ウソ属」に分類されています。ウソ属って……。この「アトリ科」という科に見覚えのある方はあまりいないと思いますが、有名なものでは「カナリア属」が分類されている、と書けば多少なりとも想像がつくでしょうか。まあ結局のところスズメ目ですからね。ちっちゃくてかわいい鳥が多く属しています。
生息地はヨーロッパ、アジア、日本では夏季は北側の高山、冬季には四国や九州など南にも姿を現します。繁殖期には針葉樹林を好んで生息しています。
全長は15センチほど、雀より少し大きいくらいのサイズ感で、オスにのみ顔やノドのオレンジ色の部分があり、メスは黒、灰色などのちょっぴり地味な色合い。
さて、ここまで見ればちょっと名前が変わっているかわいい小鳥なのですが、ウソは紛れもない「害鳥」なのです。特に、我々日本人にとっては特にそうかもしれません。
ウソは雑食で、普段は昆虫や木の芽などを食べていますが、春先はちょっと変わったものを好んで食べます。
それは「桜のつぼみ」です。
桜だけではなく桃や梅などのつぼみも食べてしまうので、果樹農家や桜の景観を好む人達から煙たがられているのです。ひどいときには小鳥も留まれないような枝以外は丸裸にされ、開花期になっても花がほとんど咲かないという事態に。
カラスのゴミ漁りやハトの糞害などが鳥害として問題になっていますが、桜を咲かせてくれないという害は勘弁してほしいですね……。かといって餌付けするわけにもいかず、薬で遠慮してもらう、くらいしか対策がないのが歯がゆいところです。
・ウソの鳥名の由来になった鳴き声は、まるでご機嫌るんるん気分。
ウソ、漢字では鷽の名前の由来は古代日本語にあると言われています。※あくまで一説ですけど。
かつて古い時代の日本では、口笛は「ウソ」あるいは「オソ」と呼ばれていました。鷽の鳴き声は口笛に似た音をしており、そんな鳴き声を出す鳥のことを「ウソ」と呼ぶようになった、という説です。
(しかし鷽の鳴き声みたいだから口笛をウソと呼ぶようになった……という説も。卵が先かニワトリが先か……)
擬音にすると「フィッフー♪」「フィッフィ♪」という妙にメロディ感のある耳心地のいい鳴き声です。本当に上手な口笛のようでもあり、ごく小さな木製の笛のような温かみある音をしています。
ああ……あんなかわいいビジュアルで鳴き声もキレイなのに、どうして害鳥なんだ……。
・キュートな「ウソ」は飼育できる? 小鳥なから飼育は簡単?
えー、非常に愛らしいデザイン、鳴き声も口笛みたいでかわいいんですが、ウソは、というか
日本に生息する野鳥は飼育することができません。
正確には、野鳥を飼育のために捕獲するのは鳥獣保護法により禁止されているのです。
10年ほど前まではごくごく一部の鳥のみが飼育のための捕獲が許可されていたのですが、自然のままに保護しようという考え方から全面的に禁止と相成りました。
飼育したい側としては残念なことかも知れませんが、裏を返せば海外のウソの仲間で取引が禁止されていないものであれば手に入れることも可能です。
なぜかネットではスペイン産のみしか発見できませんでしたが「ベニバラウソ」や「アカウソ」が販売されていました。資格が無いとネットから購入はできませんが、直接出向いて購入すれば飼育できるかもしれませんよ?
問題は1羽15,000円くらいすることでしょうか。ウソだけあって、どうにも掴み所がない鳥みたいです。