このマタギ……すけべ過ぎる!!(Byシライシ)
ま、おいといて。(きまずい)
「海棲哺乳類」、日本人に身近なのってなんですかね?
やっぱりいちばんは「イルカ」ですよねー。かわいいし。
美味しいらしいし。(コラコラ)
あと……、……あんまり浮かばないな。ジュゴンとかはそこまで馴染みないですし。
でも日本人に身近な海棲哺乳類といえばこの子ですよ。
ね~かわいいですね~。
毛がフサフサですし顔がキュートだし、お腹の上で貝を割って食べる姿は非常にユーモラス。
しかしながらなかなか「ちゃんとラッコを知る機会」というのはなかなかありませんよね。
今回はイルカ・ペンギンと並ぶ水族館の人気者「ラッコ」について見ていきましょう。
・ゴールデンカムイに出てきた「ラッコ鍋」……。なんだそりゃ!!
12巻です。あの惨劇は。気になる方はぜひどうぞ。
えー、ちょくちょくゴールデンカムイシリーズをやってるわけですが。
ゴールデンカムイに出てくる動物たちというのは北海道に縁が深い生き物たち、すなわちアイヌにとっても関わりがある動物が多いんですよ。
なにが言いたいかって「食材としての動物」という側面についてです。
今回のラッコもその例に漏れず食材として登場しています。と、いうか生きているラッコの姿は1ミリも出てきてないですからね。出てきたときにはすでに肉。南無。
ラッコをくれたアイヌのおじさんは
「トゥイ エチネ パテク エ ヤナニ!」(必ず二人だけで食べなさい!)と言っていましたが……。
ラッコの肉を煮ると媚薬みたいな効果がでるらしいです。
おいおいラッコよ、さっきまでの子供向けの顔はどうした。
いきなりアダルトな雰囲気を醸し出しやがって……。
(ちなみに作中では……ゲフンゲフン。)
「アイヌの言い伝えでは
ラッコの肉を煮るときは必ず男女同数で部屋にいなければならない」(原文ママ)
「なぜならラッコの煮える臭いは欲情を刺激し
ひとりでいては気絶するほどなのだという」
(原文ママ)
おいどうしたラッコ!!!!
水族館から閉め出されるぞ!!!! アダルティーすぎて!!
えー、現在では絶滅危惧種に指定されているラッコ。当然捕まえて食べることはできませんし、そもそも売ってないです。悲しいかな。そのためこの言い伝え、どの程度が真実なのか推し量ることはなかなか難しいです。ひとりで煮てると気絶するってそれもはや毒では……。
アラスカのほうではカニなどの漁獲を守るためにラッコを駆除し、その肉を食べる習慣はあるようですがそちらも産業とまではいえず、あくまでカニなどを守る副産物としての肉ですので、アラスカでもこのような伝承があるかどうかは定かではありません。
味は「ラッコはおいしいものばかりを食べるから、当然美味しい」というコメントがアラスカのラッコ猟師から届いておりますが、それもどういう美味しさなのか一切描写されていないのでなんとも……。皮下脂肪がほとんどないので脂が乗っているとは言い難いでしょうがどういう美味しさなんでしょうか。
※もし治外法権でラッコを捕まえて食べるときは男女同数で煮ようね!!
・日本にも生息地があるラッコ。どのへんでどんなふうに生きてる?
えー……。いきなり大ネタというか下ネタというか。
そういったものをぶっ込んじゃったのでお口直しにラッコの基本情報をば。
ラッコは「食肉目イタチ科カワウソ亜科ラッコ属」に分類されています。
イタチの仲間なんですよ。言われてみれば顔とか毛並みとかそれっぽくないですか?
亜種として
「アラスカラッコ」
「アジアラッコ」
「カリフォルニアラッコ」がおり、なんか大体生息地がわかっちゃいますね。
群れで生息し、岸辺から沖合10キロメートルくらいをプカプカ浮きながら生活します。主に海上で生活しますが、海が時化たときは陸に上がって休むことも。
生息しているのは北太平洋の沿岸。
西は択捉島や千島列島、東はアラスカやカリフォルニアに分布しています。
食肉目に分類されているだけあって動物質をよく食べていて、
ウニやカニ、アワビ・ホタテ、イカやタコなど……。
ええ暮らししとんなラッコくんよ。めっちゃグルメじゃないか。
しかも食べる量は1日10キロ(大人の場合)。
ラッコは体長140センチ、体重40キロほどなので体重の25%のエサを食べていることになります。自分の体重で換算してみましょう。大体一日15~20キロくらい食べていることになります。すげえ大食漢だな。
これにも理由があり、ラッコは寒い地域に住んでいるのに皮下脂肪がほとんどなく、寒さに弱いのです。そのためエサを食べ続けていないと凍え死んでしまうんです……。
なんとか……なんとか脂肪を蓄えられませんかね?
しかしながら海上生活に適応するために体毛は非常に密に進化しています。体毛の密度は哺乳類トップクラスで、なんと8億本も生えているのです! 参考までに人間の髪の毛が約10万本。単純比較はできませんがラッコは人間8000人分の髪の毛と同数の毛が生えています。
次項ではラッコのかわいい生態や、かわいい? 生態をご紹介しましょう。
・ラッコは石が大好きなの。貝を割ったり自慢したり……。石をなくすと……?
ラッコといえば石。
ラッコはサルや人間以外では
唯一、道具を使う哺乳類です。
貝を叩き割っている姿は面白くもありますが、実はけっこうスゴいことなんですよ。
そしてラッコはそれぞれ「お気に入り石」を持っていて、
気に入った一つの石を使い続けたがる傾向にあります。
貝やウニなどを割ったり、
潜水するときのオモリにつかったり、
近くのラッコに「ぼくの石、イケてるだろ?」と自慢したりして。
大事なお気に入り石は、岩陰に隠して見つからないようにしたり、
脇腹の皮膚がたるんだポケットに仕舞ったりして休みます。
か、かわええ……。
しかしそこは大自然。ときには石が紛失してしまうこともあります。
まあ石だしね……。
そうするとラッコは落ち込んじゃって、
文字通り「食事も喉を通らなく」なります!
ナイーブ!!
次のお気に入り石を発見するまで「なんか違うな……」と鬱々としながら過ごすのです。
元気出せよ、いいことあるよ。
・余談
えー、最初の方に挙げた「肉を煮てると欲情する」という話ですが。
作中では「ラッコは伴侶が死ぬと死んでしまうほど孤独に弱い」と言われていますが、
単にものすごく交尾が激しいんです。ラッコ。
交尾中にオスがメスの鼻先に噛み付くことがあるのですが、
これが死因になることがあるほど。
単にものすごくパワフルな交尾してるからそういう伝承があるんじゃないかな……とロマンのないことを考えてました。今回はここまで。