・「タラバガニ」がヤドカリに分類されている理由は「足の数」、なんだけど……。
はい。タイトルによってだいぶ前にネタバレしてしまっていますけども。
「カニとヤドカリの違い」になりうるのは「足の数」なんです。
まず、カニの代表格である「ズワイガニ」(Google画像検索)を見てください。
脚は何本ありますか? ハサミも含めて。
……10本ですよね。
さあ、脚は何本あるでしょうか?
……8本しかないですね。
そうなんです、一目瞭然なんです。
ものすごく大雑把に言ってしまえば、
「脚が10本はカニ、8本はヤドカリ」というわけです。
「ちょっと待って! でも「十脚目」じゃない!!」
という声が聞こえるのでこの件も説明を。
そうなんですよね、十脚目なんです。ヤドカリも。
十本の脚って書いてあるんですから、脚が8本というのはおかしいですよねー。いや~参ったねアハハハ……。
ヤドカリも実は脚が10本あります。
ヤドカリって「なに下目」でしたっけ? そう「異尾下目」です。
この「異尾」というのがポイントで、ヤドカリの生態にも大きく関わっている部分なのです。
ヤドカリといえば、貝殻などにおしりを入れて身を護る、というイメージがありますよね。でもヤドカリは自前の殻は持っていないじゃないですか?
ヤドカリはどうやって背中に殻をくっつけていると思いますか?
実は、内側から脚でしがみついてるんですよ。
ヤドカリは5対10本の脚のうち、後ろの1~2対は貝殻を取られないように踏ん張るのに使うんです。
一番前の脚はハサミ(あるいは貝殻のフタとして)使い、
真ん中あたりの脚は歩くために使い、
後ろの脚は貝殻を背負うために使う。
異尾類は5対目の脚が小さくなっていることが多いので、パッと見では「8本脚」に見える、ということなのです。
実はタラバガニにも小さい5対目の脚があって、エラの掃除に使われているんです。
そのため、10本脚だけど8本に見えるんですよ~。
なので、
「脚が10本はカニ、8本(に見えるの)はヤドカリ」というわけです。
・タラバガニは「クモの仲間」っていう噂も聞いたことあるんだけど……。ヤドカリとクモって近いの?
えー、昔こういう噂ありましたね。
ヤドカリとクモが近いわけ
ないじゃないですか。(ズゴーン)
分類の話を蒸し返しますが、
タラバガニを含むヤドカリは「甲殻亜門」。
クモは「鋏角亜門」に分類されます。
「亜門」が違うのはもうかなり遠い生物ですよ。人間とホヤを並べるようなモンです。
「タラバガニの脚は8本」→「脚が8本ということはクモに近い」という科学的根拠のない俗説だと思われます。どこが出所かはわからないですけど……。
まあタラバガニについていろいろ語りましたが。
美味しければいいよね!!
冬には道産カニをよろしく!!