・研究されまくっているハダカデバネズミ。びっくりするほど長寿命の秘密とは?
さて遅くなりましたが、せっかくなのでハダカデバネズミの基本情報を見てみましょう。このままだと基本情報書く前に終わっちゃうので。
分類は「齧歯目デバネズミ科ハダカデバネズミ属」。
体長は10センチ強、他のネズミのような長い毛が生えておらず、細かい毛しか生えていないので「ハダカデバネズミ」。
何十匹、時には何百匹にもなるコロニー(集団)を作り、地中に巨大な巣穴を掘ってそこで生活しています。
主な生息地はアフリカ大陸の東側。
植物を食べますが、巣の外に探しに行くことはしません。土を掘って、チカの植物や根っこを食べます。粗食ですね。
地中で生活しているので、当然土を掘る能力を持っています。
齧歯類らしく前歯が大きく発達していて、これを使って土を掘るのですが、
「土が口に入らないように、
唇を閉じても前歯だけが出たまま」になります。
……。
手を発達させたらいいのに……。
ネタに事欠かないなあ……。
そして、寿命。
齧歯類……特にネズミは寿命の短いことで有名ですよね。
ハムスターが約2年。
モルモットで約5年。
ハダカデバネズミは……
約20年。最長30年以上とも。
いやなんだそりゃ! 長い! 長寿~!!
体格だけなら一般的なネズミと変わらないのですが、寿命は何倍にもなります。
人間に例えれば
人間の寿命が約80年、
類人猿が300年生きるようなものです。
ハダカデバネズミはこの「長寿さ」、
さらに「高いガン耐性」から研究対象として熱視線を受けています。
謎の耐久性の高さ。
その研究の一部を紹介しましょう。
・ハダカデバネズミの長寿性
ハダカデバネズミの長寿性についての結論は出ていません。
が、いくつかの推論はあります。
ハダカデバネズミの細胞は「長く使える」という説。
我々の細胞は成長や再生のために日々、細胞分裂しています。
このとき、細胞分裂するとDNAの一部が少しずつ削れていってしまい、最後には細胞分裂できなくなってしまいます。これが積み重なることで「老化」します。
しかし、ハダカデバネズミはこの削れたDNAの一部を取り替えて、長く使うことができるのです。
なので老化が遅くなる、という説ですね~。
・ガン耐性
ガンとは、ものすごーく簡単に言えば「好き勝手に分裂する細胞」です。
勝手にエネルギーを使って分裂して体力を消耗させ、
内臓の大事な部分も勝手に変えちゃうので内蔵にもダメージが。
その上、転移するので取り除きにくい。
ところが、ハダカデバネズミは「この分裂を制御」します。
要するに、無秩序に分裂するガンを分裂させないのです。
なんかハダカデバネズミのヒアルロン酸が特殊で分裂を制御できるらしいですけど……。
まだ難しすぎてよくわからないので詳しい話はスルーで。ご了承ください。
気になったら海外の論文とか見てみよう!!(丸投げ)
・実はペットとして飼育できるハダカデバネズミ。販売価格はいかほどか?
さて、このハダカデバネズミ、ペットとして飼育できます。
ただし……お値段がね。張るんですよ。かなり。
1匹で20万円くらいです。
それも、先述のとおりハダカデバネズミはコロニーを作るのでそこそこの頭数を飼わないとダメです。
ただし、コロニーとして安定するかどうかは別の話で、100万円で5匹のハダカデバネズミのコロニーを作ったとしても、環境変化によるストレスで全部死んじゃう、というのもある話です。
まー。有名なわりに供給が少ないですからね。安定した殖やし方もまだ手探りの段階のようです。そもそも安定供給されたとしても一部の好事家だけが買って余りが出そう。
そして、購入した後にも大変なことがあります。それは環境づくりとその維持です。
高温多湿を好むハダカデバネズミ。安定した気温・湿度を保つために暖房機や加湿器が必要です。さらに冬には24時間それを稼働させているわけで……。電気代とか考えたくもないですね。
ハダカだから気温には特に注意を……。
安定してる地中に比べたら大変かもしれないですね、地上って。