危険だけど実はかわいいやつ。「ウツボ」。思ったより多彩な種類と……料理?

・ウツボの顎は2つある。愉快な歯の構造、危険だけどね。

ウツボは動物食。動物を食べて生きています。

動物食の生き物は、それぞれ創意工夫をして効率よく獲物を食べようとします。ヒゲで小魚などを一網打尽にするヒゲクジラ、狩りを成功させるために地上ナンバーワンの速度を得たチーター……。

つまりウツボも同様に、その体に秘密を隠しています。

まず1つは「鋭い嗅覚」。

ウツボには鼻がチューブ状になっている種類が多く、そのチューブが一部、外に飛び出ています。敏感に匂いを嗅ぎ取ろうとしていますね。

匂いを感じとる細胞は2000万個、人間の4倍近くあります。この嗅覚で獲物の場所を正確に把握することができます。

そしてもう1つが「2つある顎」です。

みなさんご存知であろう大きな顎。

ウツボはそれだけでなく「もう1つの顎」を持っているんです。

その名も「咽頭顎」。

「ノドにあるアゴ」ですね。

普段はノドの奥に隠されているこの咽頭顎ですが、口をガバーッと開けるとマジックハンドのように伸びて口元まで飛び出てきます。口を閉じると、咽頭顎はまた喉の奥に消えていきます。

実はウツボ、呑み込む力が弱いので、

咽頭顎を使って食べ物を胃に運ぶのです。

食いしん坊なのかなんなのか……。

パワフルな顎があるんだから呑み込むのも頑張りなさいよ! もう! かわいい!

・ウナギが絶滅危惧? ならウツボ料理を食べる!

ウナギが絶滅寸前らしいですね。ウナギを食べないので詳しく知らないですけど。

代用魚としてナマズなんかが注目されています。完璧な代用にはならないですが、ナマズのような美味しい魚が注目を浴びられるのは嬉しいことです。ナマズが好きだから。

さてここでウツボを食べませんか。

デカくてよく噛むハモみたいなもんですよ。分類上は。分類上はね。

ウツボは太平洋側では割りと普通に食べられている食材です。有名なのは千葉県の房総半島ですね。

濃厚な脂の乗った白身で、小骨が多いのでハモのように骨切りをしなければなりませんが、

タタキや蒲焼き、天ぷら、干物などで食べられています。

分厚い皮はプルップルのゼラチン質でコラーゲンの塊。

煮てよし、焼いてよし、揚げてよし。

ウナギ、アナゴ、ウツボ。ウナギ科の仲間なだけありますよ。

そんなクオリティの高い食味を持つウツボ。

千葉県では「なまだ」という呼び名で唐揚げやお鍋になっています。

その他にも高知県や和歌山県が有名。

地元に住んでいても食べたことのない方もいますかね?

これを期に試してみませんか、ウツボ料理。

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