骨というと、白くて硬くて、カルシウム。無機的なイメージがありますが、骨の中には生きた細胞がいるのです。
骨の中にいる細胞たち:骨細胞・骨芽細胞・破骨細胞
骨には
- 骨細胞
- 骨芽細胞
- 破骨細胞
- 骨表面細胞(休止中の骨芽細胞)
という名の細胞たちがいます。
骨細胞
骨細胞は骨の中にいる細胞です。骨の中を通る血管から栄養や酸素を受けて生きています。
骨細胞同士は骨の中の微細な管、骨細管に細胞質突起を伸ばして隣の骨細胞と結合しています。
骨芽細胞
骨芽細胞はその名の通り、骨を作る細胞です。
骨の表面にいて、膠原繊維となるプロコラーゲンとカルシウムを呼び寄せる基質小胞を放出します。
その後、膠原繊維の形成と、水酸化アパタイトという物質の沈着が起こります。
破骨細胞
こちらも名前のイメージ通り、骨を吸収する細胞で、骨の表面にいます。
通常の細胞1つにつき1個しかない核を複数持った、巨大な細胞です。ミトコンドリアも豊富に持っています。
骨に密着して、密着面の部分から膠原繊維を壊すカテプシンKという酵素を出します。密着部分から外に酵素が漏れないよう、周囲はシールされています。
こうして骨面を掘っていくためくぼみ(ハウシップ窩)ができます。スプーンですくいとったような穴を作りますが、それ以上掘り進むことはありません。
骨の細胞たちの由来と機能
骨細胞と骨芽細胞は起源が同じです。この2種類は結合組織系の未分化間葉細胞が由来です。
破骨細胞は血液幹細胞が由来で、マクロファージ(白血球)と同じ由来です。
面白いことに、出自の違う2種類の細胞が、協調して骨の生成と吸収という逆の活動を行っています。
破骨細胞が骨を吸収することで、骨のカルシウムが血中に放出されて血中カルシウム濃度が上がるのですが、このときまず活動するのが破骨細胞ではなく骨芽細胞です。
血中カルシウム濃度が低下すると、上皮招待ホルモンが分泌されます。これを受容するのが骨芽細胞。骨芽細胞は自身の細胞膜にシグナルとなるタンパク質を提示します。
このタンパク質に破骨細胞前駆細胞が結合すると、複数の破骨細胞前駆細胞が集合して破骨細胞となり、骨を溶かすのです。
最後に、すごくどうでもいいことですが
骨をローマ字にすると、HONE。
骨を英語で、BONE。
あら不思議、1文字しか違いませんね!