身近な生物を飼育してみよう:(2)アリ 〜飼育ケースや餌、コロニーについて〜

アリ

「アリ」

これ以上身近で捕まえやすくて飼っておもしろい生物はなかなかいないのではないでしょうか。

アリの飼育ケース:自作vs既製品飼育キット

最初に結論を言ってしまうと、数ヶ月以内の短期飼育は飼育キット、より長期に本格的に飼いたい場合は自作をオススメします。

飼育キット→簡単アリ飼育セット アリ伝説3イルミネイト+アリキャッチャー

飼育というよりちょっと観察したい場合や、お金がない場合は自作が良いでしょう。

市販の飼育キット(ゲル状のあれ)は巣穴を掘っていく様子を見ることができる点と見栄えがするという点がメリットです。デメリットはスペースに限りがあること、カビが生えた場合などメンテナンスしにくい点です。

自作(自作もいろいろありますが、これから紹介するもの)は、何にしろ製作者の腕とセンス次第ではありますが、立派なものを作るのは大変、でも自由がきく、土などを入れなければ非常にメンテナンスしやすいという特徴があります。

アリの飼育ケースを自作する

プラケースを使います。100均のものでOK!

ツールボックスのような部屋分けされているものは、熱したドライバーを仕切り板に押し当てて通路を空けます。

仕切りのないものでも良いですし、チューブで複数つないで餌場と住まいを分離してやると掃除が楽になります。一方のケースにアリがいなくなった隙にチューブを塞ぎ、空になったケースを掃除すれば良いのです。

もうひとつ用意するものは、メラミンスポンジです。

水だけで汚れが落ちるとうたっている白いスポンジ。これを適度な大きさに切り、水を含ませてプラケースに置きます。

これが水場になります。乾燥を防ぐためにこれは必ず設置し水を切らさないようにしましょう。

アリは小さいので、水滴で与えると中に取り込まれて出てこれなくなり、溺死してしまう場合があるのでスポンジを使います。

餌は、いろいろやってみるのがアリ飼育の面白みの一つではあると思いますが、ネットで調べると専用のエサが見つかりますし、昆虫ゼリーなども良いと思います。

いろいろ試してみましょう。

尚、ずっと同じエサばかり与えていると、食べなくなるかもしれません。アリはかなりグルメです。

いよいよアリの飼育:女王を捕まえるか、働きアリだけにするか

働きアリだけのお手軽コロニー

最も観察が楽しくて飼育が楽(コロニーが滅亡しにくい)なのは、複数の働きアリと女王を同時に導入することです。しかし、捕獲のことを考えると、これはなかなか難しい。

数ヶ月の観察であれば、そこらへんを歩いている働きアリを何匹か捕まえてきて、飼育キットで飼うのが正解です。※同じ巣のアリでないとケンカします。働きアリだけでも巣穴を掘る様子が観察できます。働きアリは1-2年生きるので、そこそこ楽しめるでしょう。

1匹の女王アリから始めるコロニー

女王が欲しい!という場合…女王を比較的容易に捉えるチャンスは「結婚飛行」のタイミングです。「おもしろさ」に関しては、これがピカイチですよ!

翅を持った新しい女王とオスアリが巣穴から飛び立ちます。交尾後女王は地上へ降り、翅を落として新しいコロニーの形成を始めます(オスアリは儚い一生を終えます)。

アリの種類にもよりますが、特に初夏、6月頃に地面を歩き回る女王を見つけることができます。クロオオアリやムネアカオオアリの女王は2cmほどもあるので見つけやすいでしょう(巨大なアリ!とびっくりしますよ)。

この女王を先ほどのプラケースに入れておくと、やがて卵を産み、幼虫となりさなぎを経て働きアリが生まれます。この間女王は自ら幼虫の世話をします。幼虫のえさは飛行するために必要がなくなった胸の筋肉を分解した栄養を使うといわれます。

さらに飼育を進めていくと、働きアリが増え…とうまくいけば立派なコロニーができます。働きアリが兵隊アリなどに分化する種類もいます。ここもみどころですね!

女王アリの寿命は10年を超えます。女王がいなくなれば、もう産卵する個体はいなくなり、残されたコロニーも死を待つばかりとなります。

その間、コロニーの盛衰を神様気分で眺めることができるでしょう。

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『身近な生物を飼育してみよう:(2)アリ 〜飼育ケースや餌、コロニーについて〜』へのコメント

  1. 名前:夏休み!理科の自由研究にぴったりの生き物 – 自然の展開図 投稿日:2017/06/27(火) 23:07:53 ID:79536bd0f 返信

    […] アリは奥が深いので、アリだけのページを設けました。 身近なアリを飼育してみよう ← こちらのページをご覧ください。 […]