人類というのは食べ物に対して様々なチャレンジをしてきたようです。
きのこや発酵食品、蜂の子、ざざむし、ナマコ、毒のあるフグをどうにか食べようとしてみたり…
寄生虫も食べ物にまつわる危険のひとつ。
今回は、危険があっても刺身が食べたいという先人の熱い思いが伝わってくる、アニサキス対策を施した料理をご紹介します。
アニサキスとは? ←別ページへ!
北海道ではおなじみ『ルイベ』:冷凍によるアニサキス対策
ルイベとは、冷凍したサケを解凍せずに薄切りにしたものです。
凍ったままのショリショリ感が好きという人もいれば、完全に溶けてからが好きな人もいると思います。
ふつうに醤油をつけて食べます。お好みでわさびもどうぞ。
アニサキスは-20℃、24時間以上の冷凍で死滅します。この特性を使ったのがルイベです。
サケ類はアニサキスの寄生が多く、サナダムシなど他の寄生虫のリスクもあるため、特に生はおすすめできない魚です。そういうわけで、新鮮なサケでもわざわざ冷凍という処理を挟んでルイベにするのです。
サケでご紹介しましたが、他の魚介類も同様の方法でアニサキス対策ができますので、自宅でお刺身を食べる際にはいちど冷凍しましょう!
ちなみに筆者は腹の中が寄生虫だらけのやせ細ったオスサケに出会ったことがあります。アニサキスが凄まじい数出てきました。ふつうのサケの比ではありません。さらに、サナダ虫の仲間らしき生物も多数、うち1匹だけ成虫になりかけの20cm超サイズが… !?あと1種類、小ぶりなやつがこれも大量にうごめいています…目視ですぐわかるサイズの寄生虫が3種類。壮観でした…
サナダムシはヒトの寄生虫として有名で、10m以上になる場合もあるそうです。大きなサナダムシちゃんを見たい方は「目黒寄生虫館」へ!入館無料です。研究機関であり、デートスポットでもあるらしいですよ。
お取り寄せでも有名な佐藤水産から「ルイベ漬け」という、サケのルイベとイクラを混ぜて漬けた、超ウマイいいとこどりのような商品が出ています。
イカそうめん:アニサキスを物理的に攻撃!
アニサキスは物理的に切られたり潰されたりすれば死んでしまいます。
そこで、イカを細切りにしてアニサキスをやっつけよう!というのがイカソーメンです。アニサキスは半透明で見つけづらい、小さな生き物なので、親の仇のように(?)イカを細ーーく切ります。
とはいえ、アニサキスは小さな生き物で万が一、包丁をすりぬけているということもありえます。
冷凍庫がなかった時代ならともかく、イカ(や他の魚)も凍らせるのが確実です。
お金持ち、グルメな人はアニサキスに要注意!
(※どうせ私は庶民ですよーという人も読んでくださいね〜?人生何があるかわかりませんよ!)
家庭で刺身を作るときは、上記のように冷凍してから料理すれば対策はOKです。
となると、注意すべきは外食です。
外食の中でも高級店は要注意!なぜか…?
それは、「生」で出してくれる確率が高くなるから。
安いお店で出るお刺身は冷凍ものが多いと思います。日持ちがして管理が楽ですし輸入も多くは冷凍です。
リスクは高くても、それでも、生魚の方が味は上だし食べたいですよね!
古から備わる食への探究心もあいまって、抑えることはできないかもしれません。
釣り人なら、超新鮮な魚が手元にあるのに冷凍するなんて勿体無い!という状況が頻繁にあるでしょう。
そんなときには…
目視でしっかり確認しましょう!
あとは、覚悟も忘れずに!