・イノシシ対策中級編? ライトや超音波、おしっこで視覚・聴覚・嗅覚に訴える。
イノシシは賢く、警戒心が強い生き物です。
未知のものがあると、無害とわかるまで積極的に近づきません。一度無害とわかるとスルーしてくる根性の悪いやつなんですが……。
柵だけでなく色々な要素を組み合わせることでよりイノシシを対策しようという考え方はとてもポピュラーなもので、たとえば番犬に吠えさせることでイノシシを追い払うことも柵と組み合わされてきた方法の1つ。イノシシに対する知識が深まった現在ではハイテクなイノシシ対策も行われているのです。
この科学兵器たちは思わず「うおー! おもしれー!」と興奮してしまうものが多いのでちょっと熱高めでお送りします。
・超音波で害鳥・害獣撃退! 「ユーソニック」
フルネームは「鳥獣撃退装置ユーソニック」(リンク)。戦隊モノの武器みたいなネーミング。
超音波とは可聴域(人間の聞こえる音の範囲)を超えた音波のこと。人間は聞こえないですが、野生動物には聞こえる音を大音量で流すことで人間にとっては静かに、動物にとっては爆音の雑音がとめどなく流れてくるという強力な兵器です。
しかもユーソニックは毎回周波数を変えることで慣れを防止、長期的な対策手段として有効です。
超音波兵器かっこいい! ただここにずっといたら耳に重大なダメージがある気がする! よくわかんないけど!!
・イノシシは青色が苦手!? ソーラーライトで驚かせ「LED通せんぼ」
音波の次は光! LED通せんぼ!(リンク)
イノシシの亜種であるブタが青系の色覚しか持たないことに着目した研究者がイノシシも同様の色覚を持っていることを実験で実証、そういったデータをもとに作り出されたのが「LED通せんぼ」。
ソーラーパネルでバッテリーに充電し、青色LEDの点滅でイノシシを追い払う!
電源に接続しないで設置できる携行性の高さ、設置のカンタンさも高ポイント!! グッドカルチャー!!
・ニオイでイノシシを騙せ! アニマルピー
天然化学兵器!! アニマルピー!
アニマルピー。Animal Pee。
犬のマーキングに代表されるように、尿によって自身の存在を知らせるというのは動物たちにとって重要なコミュニケーション手段の1つ。
それを逆手に取って、イノシシの天敵である動物の尿を撒くことでイノシシに本能的に忌避させる臭いをつけるという商品がこちら! アニマルピー!!(業者か)
オオカミ、キツネ、オオヤマネコ、
コヨーテ。ピューマ、イタチと
6種類の猛獣の天然尿を使用。
約1ヶ月持続する効果で害獣を寄せ付けない!
おもしれー!
害獣対策おもしれー!!
コストを抑えつつ確実な効果を得るために人類の英知が最大限に利用されてますなー!!
まだまだ続くよ新時代の害獣対策! もっとディープな対策法の話!!
・イノシシ対策新世界!? オオカミ、ヤギ、エミューで対策!!
やっぱり時代は全自動。
放置していてもイノシシ対策が行えるのが最上ですよね。
そこで新たなイノシシ対策として持ち上がっているのが、家畜によるイノシシ対策。番犬というものもありますが、より斬新な対策法が考案され始めています。
・どっちかといえば前項で紹介するべき? オオカミは英雄となるか「スーパーモンスターウルフ」
我が北海道奈井江市(筆者の近所)で開発されたオオカミ型の害獣対策です。
光と音で害獣を追い払う系統の装置ですが、オオカミの外見、そして名前が「スーパーモンスターウルフ」というキャッチーさでちょいと有名になりつつあります。
試験段階では十分な効果が見込めたそうで、量産も考えられているようです。会社のWEBページには「クマも逃げ出す」新作「モンスタービーム」の情報がアップされていますね。
・ヤギで対策!? イノシシを炙り出せ!!
沖縄にも生息するイノシシ。イノシシ対策にヤギを飼うことがあるんですって!
なぜイノシシより弱そうなヤギなのか? これはイノシシの習性と深く関係している、理にかなった対策なのです。
イノシシは薮に隠れて姿を隠しながら移動することを好みます。いくら強くても生態系ピラミッドの頂点である大型肉食動物から身を隠していないと落ち着かないんですね。
ヤギが草を食べまくるので、草刈りをしなくてもイノシシが身を隠す薮を無くす事ができます。逆転の発想!
・どこからそんな発想が。エミューでイノシシ対策……?
7月、なかなかよくわからないニュースが飛び込んできました。
「イノシシ対策で飼育されていたエミューが脱走」
……ええ……(ドン引き)。
岐阜県の農家の男性がイノシシよけのために2羽(!!)飼育していたところ、1羽が逃げてしまったというニュースでした。
ツッコミどころが多すぎてよくわからない。
ちなみに脱走から数週間後、エミューは飼い主の男性が無事に確保しました。よかったよかった……。
エミューがイノシシ対策としてベストかはわかりませんが、似たような鳥であるダチョウと比べるとおとなしいので、飼育するにはちょうどいい、のかなあ……?
・最後に
どうでした? あんまり調べることのない分野で、詳しく調べれば調べるほどワクワクするテーマでした。分量もいつもよりちょっと多くなっちゃいました。てへへ。
イノシシと人類は今後どう付き合っていくのか?
今回の新たなイノシシ対策も乗り越えられ、次の発明をしなければならないのか?
技術が発展しても、人間の悩みって昔と大して変わらないのかもしれないですね。