「ドラゴン」。
最高にかっこいいですね!! ファンタジー世界のトップに立つ伝説生物!
幼心に恐竜が好きだった身としてはなんともロマンに溢れていて夢中になったものです。ファンタジーといえばドラゴン、ドラゴンといえばファンタジー。
恐竜が絶滅した現代、巨大爬虫類というのは我々人類には届かない存在……。
ってワケでもないんですよね。
「コモドドラゴン」の愛称で名高い世界最大のトカゲです。
ドラゴンって! と思っちゃう人もいるでしょうか。しかしコイツは現代に生きるマジのモンスター。レベルの低い勇者では全滅して教会で復活する羽目になるでしょう。
現代に生きるドラゴン「コモドオオトカゲ」について見てみましょう。
・脅威! の大きさコモドオオトカゲ! 人間すら捕食できるドラゴン!
「世界最大のトカゲ」。
いったいどのくらいのスケールだと思いますか?
もう最初に言っちゃいますけど
最大全長3メートル、
体重は150キログラムオーバー。
ワニかお前は。
ちなみに全長のみの場合、「世界最長」はハナブトオオトカゲとされますがコモドオオトカゲはハナブトオオトカゲに比べてしっぽの割合が少なく、必然的に体重が重いので「世界最大」の称号を冠しています。やっぱり長いだけじゃ「最大」とはいえませんからね。
インドネシアのいくつかの島(コモド島もある)に生息しているコモドオオトカゲは、生息地では生態系の頂点、王者です。
捕食対象は多岐にわたり、シカやイノシシ、スイギュウまで仕留めて食べてしまいます。スイギュウって1トンくらいあるんですけどね……。他にも鳥やタマゴ、ヘビ、カメなどの「ああ、食べそうだね」というラインナップの他にサルまで含まれます。ほんと動くものなら何でも食べるんですね……。
コモドオオトカゲは巨体の割に非常にすばやく、時速20キロの速度で走ることができます。これは自転車の速度に相当し、どっしりとした見た目からは想像できない機敏さです。
爬虫類全般にいえますが、普段はのんびりしているように見えていざ動き出すときは素早いものが多いので、油断してコモドオオトカゲのテリトリーに入ってしまった人間が襲われる例もあります。2017年にもシンガポールの観光客が襲われていますしね。
1974年には人間が襲われて食べられてしまう事件もあります……。しかしながらコモドオオトカゲの全体が人間を獲物として捉えているわけではないようで、テリトリーを侵さない限り積極的に攻撃してくることはないのでインドネシアに観光に行くときは気をつけましょうね。
なんせ、コモドオオトカゲには自分より大きな獲物を捕食する「能力」がありますからね。
・シカやスイギュウすら捕食する秘密は「毒」! コモドオオトカゲの狩猟者スペック
いくらコモドオオトカゲが時速20キロで走れるとしても、自分よりはるかに素早いシカや、体重が何倍にもなるスイギュウを仕留めて捕食することは難しそうですよね。
コモドオオトカゲには「ギザギザの鋭いキバ」や「ゴリゴリのツメ」「強靭なしっぽ」などがありますが、どれも大物を倒すにはいまいちインパクトが足りません。
「毒」です。コモドオオトカゲには毒があります。
かつては「口が汚いから菌やバクテリアがたくさんいて、それらが血中に入ることで敗血症を引き起こすのではないか」と考えられていましたが、近年血液の凝固を妨害し、大量出血させる毒「ヘモトキシン」の毒牙があることがわかりました。
強靭なボディスペックだけでなく、ギザギザの歯によってずたずたになった患部に毒を注入することで獲物を確実に殺傷せしめる能力まで持っているのです! 「ここまでやるか」と思っちゃう攻撃力!
毒持ちの生物は毒に甘えてキバが細くなってしまったり、体格が小さくなることが多いのですがコモドドラゴンは一味違います。キバは頑丈で単体でも獲物を殺すことが可能。また嗅覚に優れているので、毒によって出血が止まらない獲物が逃げてもじりじりと追い詰めることができるようになっています。
いやあ~デカくて強いだけでなく狡猾、ドラゴンの名に恥じぬスペックでしたねー!
・インドネシアの暴君コモドオオトカゲ……。コイツらを捕食する天敵はいるのか!?
コモドの暴君コモドオオトカゲ。
どんな相手でも体格と毒で致命傷を与えられるコイツに天敵などいるのでしょうか?
いません!!
現地では成獣となったコモドオオトカゲを捕食する生物は存在しません。強いて言えば人間には撃ち殺されますが、自然界にこのドラゴンを狙う命知らずの動物はいません。
……「成獣となった」と但書をしているのですが、
さすがのドラゴンでも子供の頃には天敵がいるんです。
それはコモドオオトカゲです。
コモドオオトカゲは、孵化すると一目散に樹上に登っていきます。これは各種捕食者から逃げることが目的ですが、その捕食者の代表が他ならぬ大人のコモドオオトカゲなのです。
なんと母親すらお腹が空いていれば生まれたての赤ちゃんを食べてしまうことがあるので、子どもたちは生まれた瞬間から命がけ。「獅子は我が子を千尋の谷に突き落とす」とかそういうレベルではありません。
暴君になるまでは大変なんですね~……。