ゴールデンカムイシリーズ第2弾「エゾオオカミ」。体長・体重はどれくらい? 百年前に絶滅してしまった大自然の神

ゴールデンカムイ動物シリーズでーす。

「オオカミ」。我々日本人にとってはもう遠い存在になって久しいですね。

オオカミってなんかこう……漠然とした憧れというか、そういう魅力がありますよね。孤高でカッコいい、犬みたいでちょっとかわいい、黙れ小僧。

今回紹介するのはその中でも「エゾオオカミ」(Google画像検索)。

カッコいい!! 犬ではやっぱりハスキーとかマラミュートに似てますね。

こりゃあ居ても立ってもいられないぜ!!

さっそくエゾオオカミについて見ていきましょう!!

・アイヌの神(カムイ)エゾオオカミ。ゴールデンカムイではデカかったけど、実際の体長はどのくらい?

マンガ「ゴールデンカムイ」においてレタラという名前で登場するエゾオオカミ。

エゾオオカミは最大体長130センチ、体重は30キロ程度だったとされます。絶滅しちゃってるんで正確なデータは少ないですね。ちなみに尾長(しっぽの長さ)は30センチくらい。全長が160センチと考えると大概に大きいですね。

分類は「食肉目イヌ科イヌ属タイリクオオカミの亜種・エゾオオカミ」

本州以南に生息していた「ニホンオオカミ」もタイリクオオカミの亜種です。

と、いうか世界中のオオカミのほとんどはタイリクオオカミの亜種で、それ以外が少ないくらいです。真っ白で神秘的なホッキョクオオカミも、そもそもイヌすらタイリクオオカミの亜種とされています。分類学的な屁理屈を捏ねれば、日本ではまだオオカミが絶滅してないといえますね。流石に無理があるか。

アイヌでは「ホロケウカムイ」、和訳すると「狩りをする神」として信仰の対象でもありました。群れを成してエゾシカを狩っていたことからこう呼ばれるようになったのでしょう。

彼らは農作物を食害する草食動物たちを狩ってくれることから、食物連鎖に欠かせない生き物でした。北海道の大型肉食獣にはヒグマがいますが、ヒグマは生きているエゾシカを狩猟して食べることはまずありません。シカの死肉を食べることはありますが、クマからしたらすばしっこくて割に合わない獲物なのかもしれません。

実際のエゾオオカミは魚も食べていたということが最新の研究で明らかになっており、サケやニシン、浜に打ち上げられたクジラ(寄り鯨)を食べていたようです。結構いいもの食べてたんですね……。

・エゾオオカミが現在でも見れる!? 世界唯一の剥製がある北大植物園博物館!!

絶滅してしまっているエゾオオカミ。

よく似ているシンリンオオカミがいる動物園はありますが、当然日本産のオオカミは展示されていません。だっていないんだもん。

しかし。文明は大事ですね。

エゾオオカミは剥製となって保存されているのです。しかも我々一般人も見ることができる形で。ありがたや~……。

剥製が展示されているのは

「北海道大学植物園博物館」(リンク)。

JR札幌駅から南口を出て徒歩5~10分くらいですかね? ビルがガンガン立ち並んでいる中に広めの敷地で植物園があるんですよ。最初に見たときなさすがは北海道、と思いましたね。園内に2つも池があるんですよ。でっかいどう。

正門を入って道なりにいけば博物館の本館がありまして、エゾオオカミはそこに展示されています。

エゾオオカミ以外にもヒグマやニホンカワウソ(これも絶滅種)の剥製があったり、蝦夷地開拓時代の物品が資料として公開されています。ゴールデンカムイから北海道や開拓史に興味を持たれた方には超オススメスポットですね。なにより交通の便がいいし。

・そもそもなんでエゾオオカミは絶滅したの? いくつもの原因が複雑に絡まっていた。

さて、さっきから絶滅絶滅と連呼していますが、そもそもどうしてエゾオオカミは絶滅してしまったのでしょうか?

えー、野生動物の絶滅というのは非常に扱いにくいものなんですけれども(諸説あるから)、「たぶんこれらが直接の原因だろう」というものを紹介していくことはできます。

第1に「伝染病」。

明治から日本には洋犬が入ってくるようになります。このとき、狂犬病や犬ジステンパーも同様に日本に来てしまいました。

そもそもオオカミはイヌと非常に近い生き物なので、これらに感染して数を減らしてしまった、という「予測」があります。なぜなら剥製とか標本からはこれらの感染を裏付ける証拠はないからです。あくまで説の1つ。

第2に「雪害」。

1879年、北海道は脅威的な豪雪と暴風雨に襲われます。

このコンボが2~30万頭ものエゾシカの命を奪う大災害となり、エゾシカを主な獲物としていたエゾオオカミも飢えて死んでしまったのです……。

第3に「人間による駆除」。

ハイ、また人間のせいでーす。

北海道の開拓により獲物であるエゾシカが減り、人間の家畜(当時、軍用馬を育成する牧場もあった)を襲うようになったオオカミは、毒エサによる駆除の対象となります。

そのうえ、オオカミに懸賞金をかけて「どんどんオオカミを駆除しようぜ!」と全道で駆除が盛んに行われました。

コレに関しては若干ひどいと思わなくもないんですが……。このとき徹底的な駆除をしていたから日本の牧畜王国北海道があることは否めないわけで……。複雑です。

この駆除によって1500頭以上のオオカミが殺され、記録外のものも含むと倍近い数が殺されたと推定されます。

そして現在、天敵のいなくなったエゾシカが増えすぎて食害の規模が大きくなってきたため、エゾオオカミと近い性質を持つ「シンリンオオカミ」を導入しようという試みがあります。

勝手だなー、人類……。

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