動物の骨。
そこからわかるのは、動物の種類だけではありません。
ロマン溢れる骨の世界にようこそ。
骨の標本を残す意味:動物の骨から種類・生息地・骨折・病気がわかる
骨は動物の体を構成する組織の中で、最も残しておきやすい組織です。
骨を保存して採集地・採集日を記録しておけば、あとからでも実に様々なことがわかります。
- 動物の種類
- 年齢
- 性別
- 動物の生息地
- いつ生息していたか
- 骨折などの怪我の履歴
- 病歴
- 生態(何を食べていたか等を推測できる)
現存していない恐竜などの動物は、化石が見つかって初めて、その種類の生き物が存在していたことがわかります。
絶滅してしまった動物や、野生での観察が困難な生き物も、骨が生態を解明するヒントになります。
1種類の動物の骨なら、1個体分あれば充分だと思うかもしれません。しかし、同じ種類の動物の骨を数多く集めると、もっと別の見方ができるようになってきます。場所によって大きさは違うのか、年代によって変化はあるか…後述しますが、骨には病歴も残るので、いつ病気が流行ったか、というデータもわかるはずです。
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骨から年齢・性別がわかる!動物の骨標本を観察してみよう
骨から年齢がわかる
成長期、骨の端には骨端軟骨があり、成長が終わるとこれが化骨します。
動物の種類で何歳頃化骨するか決まっているので、年齢の推定ができます。
また、成長に季節変動がある場合は骨に年輪のような跡が残ります。年輪を数えれば年齢がわかるというわけです。魚の場合は年齢推定に耳石がよく使用されます。
成長期が終わっている場合でも、歯の磨り減り具合から年齢を推定する方法を使うことができます。
骨から性別がわかる
動物の種類によっては、性別によって姿が違うものがいますよね。骨の形も全く違っている生き物がたくさんいます。
シカは典型的で、オスだけにツノがあります。わかりやすいですね。
ツノでなくても、オスの方が牙などを発達させている動物は多くいますし、体の大きさが全く違う動物もいます。
陰茎骨という骨を持っている種類もいます。もちろんオスだけにある骨です。(ヒトにはありません)
ヒトも骨の様々な部分に性差がみられます。骨盤はもちろんのこと、頭蓋骨・鎖骨・肋骨などに違いがあります…が、見慣れていないとすぐにはわからないかもしれません。