イグアナ、かっこいい。
イケメンの多いトカゲ界に君臨する圧倒的な存在感。色鮮やかなボディ、意外に長い指、爪……。背中に生えるトゲトゲ……。
まるで恐竜かドラゴンのようなビジュアルにロマンを感じる方も多いことでしょう。爬虫類界でヘビが美人系だとすればイグアナは渋い男前系。大河で主人公の父親役とかをする人です。
ちなみにカワイイ枠はヤモリだと思います。※あくまで顔の系統です
そんな男前なイグアナですが、ペットとして飼うには具体的にどうすればいいのか? そういった疑問があると思います。
イグアナについてぼんやりと考えている人の参考になるよう、いくつかの視点から飼育について考えてみましょう。
・イグアナ初心者向けの飼育セットってある?
……。
えー……。非常に言いづらいのですが……。
イグアナは初心者向けではありません。
主に2点、初心者には難しい問題があります。
まず1つ。
・イグアナは大きい
「当たり前じゃん」って思いました? しかしこの大きさが色んな意味で初心者にのしかかるのです。
イグアナで最も有名な品種は「グリーンイグアナ」ですが、大人になると180センチもの大きさになります。ひょっとしたら飼い主よりも長いですよ? キバやツメも大きくなりますし、体重は40キロにも及びます。力もどんどん強くなっていくので、その点の注意も必要です。
おとなしい種類ではありますが発情期のオスはかなり攻撃的になりますので、油断すると飼い主も大ケガをしてしまう可能性があります。
また、そんなに大きなものを安全に飼育するスペースにも困ります。変温動物であり中南米に生息しているので「冬でも暖かく、大人のイグアナにも十分な広さ」の部屋を作るのは大変です。
・とにかく高価
勘違いしがちですが、イグアナはイヌやネコに比べて圧倒的にお金がかかります。
ペットショップで販売されているイグアナは安いもので5千円程度。
「トリマーとか予防接種とかがないぶん安いんじゃないの?」
と思われるかもしれません。その点に関してはその通りです。その点に関しては。
問題は、「最低限の飼育に必要な費用」なのです。
まず、気温と湿度を管理しなければなりません。
適温は昼28~35℃。夜は25~28℃。湿度は60%前後。
……。真冬にどうしたらこんな室温に……。
正確には飼育ケージや温室の気温なので、イグアナの飼育スペースさえこの条件を満たしていれば大丈夫です。が、光熱費が目も当てられない金額になることは間違いありません。
ちなみに飼育セットもいろいろありますが、小さくて安めのもので3万円。中型になれば5万円以上。大型のものを安全に飼育できるアクリル製の温室ともなるとウン十万円もかかります。さらにそのスペースを保温・保湿できるヒーターや加湿器を一年中動かし続ける金額というのはどのくらいでしょうか?
加えて、イグアナの寿命は10年ほど。維持費も×10です。長いものでは15年、20年というものもいます。
あなたはイグアナ飼育に命とお給料を賭けられますか?
(……イグアナ飼育って大変ダナー。)
さて……、イグアナ飼育の難しさについてはこのくらいにして。
そろそろ脅かすのはやめて、もう少し現実的なイグアナ飼育について考えてみましょうか。
・イグアナの飼育費用を抑えたい……。なんとかなる?
結論を先に言います。
金額を抑えた初期費用だけでかなりの金額が必要になります。イグアナを1番の趣味にしたい方か、お金持ち以外は断念をオススメします。
以降はそれらを承知の上で飼いたい人向けの内容となります。
とにかく小型のものを選びましょう。小型なら初期費用も抑えられますし、必然的に餌の量も少なくなりますので爬虫類に命とお給料を賭けずとも飼える範囲になります。具体的には最大でも40~50センチのものが好ましいです。ケージの買い替えも最低限で済みます。きちんと計画的にことを進めて大きめのケージを使い続ければ買い替えも必要ないかもしれません。
オススメ品種を簡単に紹介しますね。
・ハガクレカメレオンイグアナ
色鮮やかな体色とおとなしい性格で、手に載せて愛でる「ハンドリング」もできるので人気です。名前の通り顔つきが少しカメレオンに似ています。
スマートな外見がクール! でも動きはひょうきんな愛らしいイグアナです。
・サバクイグアナ
アメリカ合衆国の南側~北メキシコに分布するイグアナです。どちらかというとカワイイ顔つきをしていて、サイズも相まってキュートなタイプです。
名前の通り砂漠に棲んでおり、湿度はそこまで必要ではありません。かわりに強い光が必要なので紫外線を多く出してくれるライトが必要です。
・費用を抑えるために大切なこと
費用を抑えるために必要な最大の要因は「知識」と「経験」です。
「経験」は初心者にはどうしようもならないので、「知識」を付けましょう。知識を付けていく中でよりイグアナが好きになり、他人の失敗談を見て自分が同じことをしないように気をつけることができます。
各種ペットショップや飼育しているオーナーのホームページやブログをこまめにチェックして情報を集めましょう。あわよくば仲良くなってオススメのショップを教えてもらったり……。
でも飼育用品のお下がりをねだるなどの失礼な行為はやめましょうね。せっかくのイグアナ友達ができるチャンスを失ってしまいますよ。
イグアナの種類や大きさによって適した飼育環境も変わりますので、これ以上はご自分で調べるべきかと思います。調べるのもイヤな方は、飼育を諦めるか金に糸目をつけないやり方がオススメです。
それでも飼うぞ! というやる気のある方は次のページへどうぞ!