「不真面目なサケ」!? カラフトマスの生態から釣り・料理まで

サケなのマスなのどっちなの?

不真面目っていうか真面目なサケってそもそも何?

というツッコミは置いておいて、カラフトマスのお話です。

※上の画像、ただの川の写真ではありません。カラフトマスが泳いでいるので探してみてね!!

生まれた川にあんまり戻ってこない…カラフトマスの不思議な生態

北海道以外の人には馴染みがないかもしれません。
北海道の人も、魚に興味がないと知らないかもしれない今日のお魚。

カラフトマス(Oncorhynchus gorbuscha)は、
サケ科サケ亜科サケ属の魚です。
英名は pink salmon。

サケ!サケ!サケ!ときて「マス」なのは、いわゆる一般的なサケより小ぶりだからでしょうか。

サケは75cmくらいが標準、カラフトマスは50~60cmくらいです。

カラフトマスのどこが不真面目なの?

このカラフトマス、いわゆる皆さんおなじみのサケ同様、川で生まれて海に下り、また川に遡って産卵するわけですが…

あんまり生まれた川に戻ってこない。

母川回帰率(生まれた川に戻る確率)は条件によっては5%程度の場合もあるとか。

えぇー、そんなテキトーでいいの!?
と思ってしまいますね。

カラフトマスは一生のほとんどを海で過ごします。川への依存度が低いためにこの適当さが許されるのかもしれません。

偶数年の魚と奇数数年の魚は決して出会わない!?

北海道では毎年遡上がみられる不真面目なカラフトマスちゃんたち、実は!なんと!

隅数年と奇数年の魚は、長い長い間出会ったことがない、全く別の集団なのです。

カラフトマスは、生まれた年の翌々年に川に産卵にやってきます。

つまり…
2018年生まれの魚は2020年に戻ってきます。その子は2022年、孫は2024年に戻ります。
2019年生まれの魚は2021年に戻ってきます。その子は2023年、孫は2025年…。

そう。出会うことがないのです!

彼らは同じ川にたった1年違いで遡っているにもかかわらず、遺伝的にも違う生き物です。
豊凶が1年おきだったり、遡上のタイミングも違ったり、「真面目さ」(勝手につけました。生まれた川に戻ってくるかどうか)も違います。

サケは3歳〜5歳で遡上するので、混じり合うのですが、カラフトマスときたら!

なんて…不思議…なんだ…!!
いつどうしてどうやって偶数年の魚と奇数年の魚が袂を分かったのか…気になりますね…気になりすぎてドキがムネムネしますよ私は。

怪獣みたい!「セッパリ」の名を持つ7変化!? な魚

さて、カラフトマスは「セッパリ」という異名も持ちます。

どういうことかというと、繁殖に向け成熟したオスの背が高く盛り上がるのを言っているのです。

海にいる間は銀色の体にフツ〜〜のマスの形なのですが、川に遡る直前から、オスは「セッパリ」の形に姿を変えます。吻も伸びて曲がり、牙が伸び、怪獣のような顔になります。

色も銀色からなんともいえない緑褐色というか紫というか、上から色を流したような模様になります。背側はそこにドーナツ型の斑紋が目立つようになります。腹は白です。

メスは形はふつうのマスの形のまま、色が変わっていきます。

オレンジ色の卵の時から、孵化したての稚魚、銀色の海洋生活時代、遡上時の姿。
並べてみたらとても同じ魚には見えないのではないでしょうか。

カラフトマスも、サケと同じく、繁殖のチャンスは一生に1度だけ。
川に遡って産卵を終えると、その一生を閉じます。

治癒することを前提としない体は、水棲菌に侵されて白いまだら模様になり、オレンジ色の締まった身も、白っぽくくすみ柔らかくなっていきます。眼を菌にやられておそらく失明しているであろう魚が泳いでいることもあります。リアルにゾンビのような姿ですが、こうしてカラフトマスたちは命を燃やし切って死んでいきます。

カラフトマスを手に入れる手段…釣り。ポイントやルアー・仕掛け

カラフトマスは「青ます」という名前でたまにスーパーで見かけるのですが、それも北海道での話で、本州で生の状態で出回ることは稀なのでは。

売っていても切り身だとどんな姿かわからないし…

それなら釣ればいいじゃない!
(道外の方、北海道へお越しください)

カラフトマスを釣る

まずは釣れる場所ですね。

カラフトマスの釣りは、産卵のため川に戻ろうとしているものを、海で釣るというのが基本です。河川は遡上魚を釣ることが禁止されているためです(一部除く)。

北海道の中でもオホーツク海・根室海峡沿岸河川に多い魚で、河口直下がポイントとなります。

カラフトマスが川に戻ってくるのは、サケより早い7月下旬〜9月いっぱいくらいです。

早い時期ほど銀ピカで鱗の落ちるような、美味しいカラフトマスが釣れる傾向にあります。
遅い時期のしっかり色がついてセッパリが立派な魚は、味こそ落ちますが、とてもかっこいいですよ。「カラフトマスを釣った!」感が味わえます。

仕掛けは簡単な、スプーンと呼ばれるルアー単体のもので。
浮きフカセという、少し重みのあるウキとタコベイトを組み合わせた釣り方もあります。

色は赤やピンク系が良い…といわれています。

遡上前は餌を食べないくせに、噛み付いてくるという不思議。

カラフトマスは水族館でも見られる!

釣りの話をしてきましたが、水族館でもカラフトマスの姿を見ることができます(北海道の)。

サケのふるさと千歳水族館
新千歳空港に近いです。千歳川に埋め込まれた部屋から川の中の様子を見ることができます。

北の大地の水族館-山の水族館- (北見市)
魚も見たいですが、日本一ナウでヤングなイケメンを自称する館長さんが面白そうです。
北見は、札幌や新千歳空港から、とても、、、遠いです。

標津サーモン科学館
札幌からとんでもなく遠いところにあります。日本の最果てに近いところにあります。けっこう大きい水族館。

カラフトマスがいるかどうかは、水族館のHPやtwitter等をご確認ください!
いつでも見られるものではないですので。

オホーツク海側の川を、橋の上から覗いても、見られると思いますよ。
ただ、あのセッパリと鼻が曲がった勇姿はぜひ横から見てほしいなー。

カラフトマスを食べよう!どんな味なの?料理方法は?刺身もいける?

さあ皆さん!お手元にカラフトマスは用意できたでしょうか!?
これを読んでいる読者の方の99%は用意できていないと思いますが、そんなことは一切無視して話を進めます!!

刺身・ルイベ・カルパッチョ

まずはお刺身です。とはいえ生ではなく、いったん凍らせましょう。寄生虫のアニサキスが怖いですからね。

ふつうに3枚に下ろして、皮を引いて、柵にして、フツーにお刺身、ちょっとおしゃれにカルパッチョ。

鍋・三平汁

知ってますか?

サケマスは頭や皮・鰭のコラーゲンや軟骨が美味しいんですよ?目や頰の肉も美味しいです。
ちなみにセッパリ部分もコラーゲンです。プルプル。美味しいですよ〜。

これらを余すところなく楽しむには、鍋や三平汁が最適ですね。
(頭は氷頭にするという手もありますけどね)

野菜もたくさん摂れて、幸せになれます。

塩焼き・ムニエル

生の切り身をそのまま焼くより、多めに塩を振って少し熟成させてから料理したほうが美味しいと思います。

シンプルな料理です。他に説明はいらないでしょう。

なんだよそもそもカラフトマス手に入らないし、食べる機会ないじゃん!と思ったあなた。
実はカラフトマスは缶詰になって売られていることがしばしばあるので、探してみてね!
あなたの家に眠る、サケ缶だと思っていた缶詰も、もしかするとカラフトマス缶かもしれませんよ?

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