「スカシカシパン」ってなに!? 飼育できる? 食べてOK? その名前の由来や生態は?

スカシカシパン。

透かし?

菓子?

パン?

透かし菓子パン?

そう、スカシカシパンです。

これ、生き物の名前ですよ?

密かに生き物の名前はクレイジーなものが多いです。

「スベスベマンジュウガニ」とか

「ウメボシイソギンチャク」とか

「トゲアリトゲナシトゲトゲ」とか!

ちょっとジャンルが違いますけど「バフンウニ」も大概クレイジーですよね。そもそも正式名称なのか、名付け親は誰なんだ。海でなにを思ったんだ。

(※正式な和名でした。クレイジー)

そういった「クレイジーネーム」の中でも

かなりクールなのがスカシカシパン」

あまりに語呂がいいですね。何度でも繰り返し言いたくなっちゃう魔性の響きがあります。一種、日本語の面白さすら感じます。

こんな謎生物、スカシカシパンについて見てみましょう。

・スカシカシパンの由来とは? スカシカシパンマンって何者?

スカシカシパンの名前、その由来の正確なところはわかっていません。正確な資料が存在していないので「100%正解」と断言できるものはないんですね。

ただ99%正解だろう、といえる説はあります。

150年近く前のことですが、東京帝国大学(現在の東京大学)が神奈川県に実験所を作り、興味を持ってその手伝いをしていた漁師がいました。彼の名は「青木熊吉」。海の生物の採集を行い、後に正式に採集担当として雇われることとなる人物です。

青木熊吉は採集した生物にその場で大喜利チックに名前をつけることがあり、その中でも秀逸なものが正式な和名として採用されることもあったようです。

そう、スカシカシパンは「青木熊吉が名付けたものである」

というのが有力な説なのです。

あの生き物を見て「スカシカシパン」とは、かなりの大喜利の実力がありますね。

そういったわけで命名された(であろう)スカシカシパンは、おそらく身内ウケの笑いで終わったのでしょう。その後、あまりに長い時間をのんびりと過ごしていたはずです。

しかし、約150年後、スカシカシパンは脚光を浴びます。

・中川翔子presentsスカシカシパンマン!!

「しょこたん」の愛称で親しまれるタレント中川翔子さん。「オタク」であることを公言している彼女ですが、アニメや漫画だけではなく「生物マニア」としての一面も持っています。

中川翔子さんが人気絶頂だった2007年、スカシカシパンを自身のブログで紹介、その時にスカシカシパンをモチーフにしたヒーロー風キャラクターが

「スカシカシパンマン」です。

なんとスカシカシパンマンはニンテンドーDSでゲーム化されているほどのキャラクターです。10年くらい前にはケータイアニメになってたこともあるんですよ。ちなみにCV.若本規夫でした。

この「スカシカシパンマン事変」でスカシカシパンは知名度が飛躍的にアップ。今の時代にスカシカシパンの情報があるのは中川翔子さんのおかげかもしれません。

・スカシカシパンの生態はどんなの? 飼育OK?

スカシカシパンは「ウニ網タコノマクラ目スカシカシパン科」。

つまりウニの一種です。

「ウニっぽさゼロじゃん!」

と思うでしょうが、雑に言い切ってしまえばスカシカシパンはトゲのないウニみたいなもんです。正確にはパンっぽい殻に短いトゲが生えているので、「トゲが異常に短いウニ」と言うべきかもしれません。

トゲが短いからでしょうか、パンのような見た目の外郭は非常に固く、その固さで外敵から身を守るようです。しかし天敵はカニや魚。まあ、貝やウニを食べる魚はソレ以上に頑丈な口を持っているものも少なくありませんからね……。

ウニの仲間なので、海の底にいて動き回ることの少ない「底生生物」です。

主な食事は「デトリタス」

生物の死骸から出るゴミや排泄物、死んだ微生物などの総称です。スカシカシパンは普段は浅い海の底で砂に埋れながら暮らしているので、砂に含まれるデトリタスを食べているんですね。

・飼ってもいい?

飼育に制限はありません。なんの問題もなく飼育することが出来ます。浅瀬にいる生き物なので、採集そのものは対して難しくないかもしれません。砂に潜っているので、多少の見つけにくさはありますが。

先ほど挙げたように、スカシカシパンはデトリタス食なので餌の用意が微妙に難しいとされているんですね。そもそもスカシカシパンに必要な栄養についてもよくわからないですし。

エビのすり身を食べるという情報もありますが、飼育下のスカシカシパンに適しているのかもよくわかっていません。マイナー生物の常として飼育情報が少ないのが困りものです。

自然環境に近づけるのならば、大きめの水槽にウニを食べない小魚や甲殻類と一緒に飼育してあげれば餌クズや排泄物からデトリタスが生まれるのでスカシカシパンにとっては良いのではと思います。いっそのこと、アクアリウムショップで尋ねてみると思ってもいない良い方法があるかもしれません。

・スカシカシパン、味は菓子パンなんか似ても似つかない!

スカシカシパンを好んで食べる地域などはありません。

猛毒であるフグの卵巣ベニテングタケまでなんとかして食べようとする日本人が食べていないのです。

これはもはや結論が見えています。

……。

しかし試してみた方はいらっしゃったようで……。ナイスチャレンジャー。

いわゆる高級食材とされる「ウニ」ですが、ウニの可食部は卵巣や精巣です。魚で言えば卵やタチに相当する部分でしょうか。当然、ウニの仲間であるスカシカシパンも可食部(?)としてはここかな? と思われるのですが……。

これが小さく、ひどい色をしていて、悪臭を放つ場合すらあるのです。黒緑暗褐色、言葉を選ばず言えばヘドロ色ですね。ウニは生食なのにこんな……、茹でても食べられなさそうな色だなんて……。

ちなみにスカシカシパンの主な利用法は「肥料」だそうです。殻のカルシウムなんかが植物にいいんですかね?

スカシカシパンの殻はネットショップなどで手軽なお値段で販売されているので、お部屋のインテリアくらいがちょうどいいかもしれませんね。

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