鳥が世界を支配する! 手塚治虫SF漫画「鳥人大系」とその考察

インコ

人類を駆逐し鳥類が地球を支配する!何百年何千年という時の流れとともに物語が進行する、壮大なSF作品です。



「鳥人大系」手塚治虫
SFマガジン 昭和46年3月号〜昭和50年2月号に連載。

動物が主人公の物語は、悲しい物語に偏りがちな気がします。シートン動物記、椋鳩十作品、平和なけものフレンズですら絶滅という悲劇の影が見え隠れ…。

「鳥人大系」はこれらとは少し異なる悲しさ、無情さを感じさせられる物語です。

手塚治虫「鳥人大系」は「火の鳥」的な物語の進行のSF漫画

あるとき世界にばらまかれた粉末をきっかけに、鳥たちが高い知能を持つようになり、火を使うことを覚え、徒党を組んで人を襲い始めます。服を着るようになり国家が生まれるなど、発展していく鳥社会ですが、やがて階級・宗教・差別など、人類と同じ道をたどりはじめます。(人類は鳥の家畜となってしまいます。)さらに時が経って、野性を失った鳥人は退廃し…というのが大まかな流れですが、

長い時の流れの中を、登場人物(というか鳥ですが)が入れ替わり立ち替わりしながら進んでいくのは火の鳥と似ています。階級や差別といった社会問題や裏切り・殺し・戦争のような血なまぐさい部分、逆に異なる種族が心を通じ合わせる場面があるのも共通で、このあたりに関しては、作品と作品の類似というより手塚治虫さんの描くテーマなのかもしれません。

と、ここで、鳥類の生物学的特性を踏まえた考察をしてみたいと思います。

手塚治虫「鳥人大系」より〜鳥人なら人間のような男女差のある社会構造にはならないのではないか

漫画が描かれた時代が時代のせいか、男女関係に昭和の香りが漂っております。つまり、男が働き女は家を守る的な要素や、社会的な支配者(政治家など)は男です。

鳥人であれば、そこに男女の差は生まれないのではないか、というのが筆者の考察です。

人間は哺乳類であるため、繁殖において男女でできる仕事が大きく異なりますが、鳥類はその差が非常に小さいという特徴を持っています(詳しくは人間が卵を産む生き物だったなら)。

それゆえ、オスの方が大型になり一夫一婦制が稀な(約3%)哺乳類に対し、鳥類は多くが雌雄の体格差が少なく一夫一婦制が多い(約70%)のです。

例を挙げておきますと、身近にいるスズメやカラスは一目見てオスかメスかわかるでしょうか?ほぼ同型同大でわからないと思います。カラスのように一夫一婦制で夫婦が一生つれそう種類も少なくありません。

哺乳類でメスが大型の生物はほぼゼロに近いですが、鳥類では猛禽類などメスの方が大きくなる種もいます。

繁殖でメスしかできないのは卵を産むことくらいで、巣作りから抱卵・ヒナへの給餌まで、オスもすることができるので(メスが子育てをしない種がいるくらいです)、女性の社会進出を阻む要因はないようなもの。

一方が物理的に力で抑え込むことも、家庭に縛られることもないので、男女平等な社会になるのでは、ということです。

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