擬人化なんて嫌いだ!動物を描いた文学・絵本をご紹介!

オオカミ

世の中、動物を主人公にした作品が溢れています。

でもその多くは動物の着ぐるみを被った人間と言いますか、動物の見た目だけが採用された擬人化が強いものが多い!

今回は、「動物の姿をした人」の作品ではなく、動物を描こうとしている作品をご紹介します。

色褪せない動物文学作品たち

シートン動物記「感情を持つのは人だけではない」:狼王ロボ

読んだことがなくても、タイトルは知っている人が多いのではないでしょうか。北米のオオカミやシカ、リスなどシートンのの身近にいた動物たちが描かれています。

かなり冊数がありますが、大小たくさんの作品集というかたちなので好きなものからつまんで読むこともできます。

シートンの実際の観察に基づいており、野生動物の暮らしを垣間見ることができます。動物の足跡からこんなに多くのことがわかるのか、と驚かされます。
しかしそれ以上にこの作品で特筆すべきは、動物は感情のない機械のようなものだと一般に考えられていた時代のものだということです。

「狼王ロボ」が有名で、人が仕掛けた罠をたくみに見破る様子、妻を失ったときのロボの悲しみや、シートンに捕らえられてからの姿など…動物の心の動きまでが描かれています。

あまり知られていませんが、シートンは画家でもあります。

月並みな表現ですが、毛並みや表情はまさにその動物が目の前にいるかのように生き生きと描かれています。「眠れる狼」、「狼の勝利」(←こちらは当時問題作だったようです)などの作品を残していますので気になったら調べてみてください。

シートンが描いた絵が入った「シートン動物記」を読めば(ひとくちに「シートン動物記」といっても子供向けに編集されたものなど何種類かあります)より味わいが増すと思います。

椋 鳩十(むく はとじゅう)作品:教科書に載った作品も

読んだことがない方は、日本版シートン動物記とイメージしていただければ良いかと思います。

有名作品は「マヤの一生」「大造じいさんとガン」
後者は教科書にも載ったので、全く触れたことのない人は実は少ないかもしれません。

シートン動物記と比べると、扱われる動物はイヌやウシなどの人に飼われている動物、内容は人と動物・動物と動物の間の友情に焦点が当てられた作品が多いです。

動物(魚)の絵本!村上康成 ピンクシリーズ:絵本で伝える自然の厳しさ・命のやりとり

こちらは絵本です。
少々趣を変えたようですが、本質は同じです。

「ピンクのいる山」
「ピンク、ぺっこん」
「ピンクとスノーじいさん」
「ピンク!パール!」
「ピンクがとんだ日」

主人公「ピンク」はヤマメという渓流に棲む魚で、ピンクが幼い頃の話、大人なったピンクの話などが各冊に分けて描かれています。

ピンクが食べる餌、ピンクを狙う外敵、同じ川に住む魚たち…
絵だけ見ていても飽きません。個人的にはこのかわいいデフォルメや画面の使い方、色使いが好きです。

美しい自然を舞台に、食う食われるという関係・環境問題をもテーマに盛り込んだ絵本です。
子供達が身近な生き物たちも厳しい自然の中で生きているということを知るきっかけになるかもしれません。

絵本を読んでから、釣りをして実際にピンクに出会い食べるというのも、良い体験になると思います。
人間も自然に生かされているんだよ…と。

どの作品も、実際に生き物たちに触れているからこそ描ける作品です。
たまには「動物の姿をした人」の作品ではなく、このような作品から生き物の姿に触れてみてはいかがでしょうか。