「けものフレンズ」考察その2:実際と違うところや省略されているところに細かいツッコミを入れてみる

アルパカ

先日、「けものフレンズ」ただ可愛いだけのアニメではなくて、科学的な面白みもある、というお話をしました。

そこでは書けなかったので、確かに科学が盛り込まれているけれども(おそらくわかりやすくするために)やはり現実と違うところや省略されている、という部分に細々したツッコミを入れていきたいと思います。

「けものフレンズ」に出てくる言葉考察:それは本当に『縄張り』なのか?

けもフレには「縄張り」という単語が出てきます。
聞いたことがない人はいないと思いますが、どんなイメージでしょう。

怖いお兄さんが出てくる映画で、
「ここは俺の縄張りだ!」
的なかんじでしょうか。

この使い方は動物で使われるのと同じ意味なのです。

「縄張り」って何?

『縄張り』とは、
”排他的に占有する領域”
のことです。

例えば、
ライオンは縄張りに群れのメンバー以外の個体が侵入すると威嚇・攻撃して排斥します。
ウグイスはホーホケキョと鳴いてここは自分の縄張りだよと知らせ、他個体が入って来れば排斥するのです。

そこに他の個体(やーさん)が入ってきたら排斥する、追い出してしまう場所。
ほら、同じですよね。

あなたも自分や家族以外が勝手に入ってほしくないところがありませんか?
人間の場合、家がそれにあたると思います。

排斥はしないけれど、よく行く所「ホームレンジ」

他人を排斥しないけれども、日常的によく行く場所。
近所のコンビニやスーパー、学校・職場などなど…
こちらは「ホームレンジ(行動圏)」と呼ばれます。

先ほどの例を出すと…

「ここは俺のホームレンジだ!」
「本当ですか!?私もよく来るんですよ〜。」

あれ…?なんだか友情か恋でも芽生えそうな雰囲気になってしまいました。

一応言っておきますが、「ホームレンジ」は一般にあまり知られていない単語なので、使って相手にポカーンとされても責任は負えません。行動圏も同じです。

おいしい展開になんて、なりませんよ!!

「けものフレンズ」における、群れる動物の描き方を考察

たくさん種類を登場させたい、それぞれの種の特徴を丁寧に描きたい、となると仕方のないことだと思います。

けもフレには1種類の動物につき1人しか登場しないのです。

基本的には動物は同じ種類の個体が群れを作り、アニメのように雑多な種が集まることはあまりありません。

また、群れる動物も、基本的に単独行動の動物もいることは、さすがに描かなかったようです。

群れといっても内容は様々

ひとことに”群れ”と言っても、それには様々な形態があります。

・ウシや多くの鳥類のような、個体が集まっただけのリーダーがいない群れ
・オオカミやウマのような、リーダーがいて階級もある群れ

群れる理由も
・捕食者から身を守るための群れ
・食べ物を得やすくするための群れ
・繁殖のための群れ

というように、様々です。

アニメでは動物の身体的特徴に着目しがちでしたが、こういったことも調べてみると面白いと思います。

「けものフレンズ」考察-重箱の隅編:マーゲイが動物の鳴き真似をする!?

マーゲイというネコ科の動物が他の動物の鳴き真似をするというような話が劇中にありました。本当でしょうか??

どうやらこれはまだはっきり結論を出せるところに至っていないようです。

研究中、ということで、
現状鳴き真似は事例的に報告されたのみのようです。

でもこれ、本当だったら結構大きなニュースですよ。

鳴き真似やヒトが言語を話すといった、聞いた音を真似ることを「音声学習」と言います。
音声学習する動物というのは実は非常に限られていて、

ヒト
ゾウ目
コウモリ目
クジラ目
スズメ目鳴禽(めいきん)類
オウム目
ハチドリ目

にしかできないと言われています。

ニワトリは誰に教えられなくとも大きくなれば「コケコッコー」と鳴けますが、ウグイスは他の個体が「ホーホケキョ」と鳴いているのを聞かないと、「ホーホケキョ」と鳴けるようになりません。

イヌやネコも音声学習はできません。たまに飼い主の言葉をまねているんだ!という動画がみられますが、たまたまそう聞こえるだけです(絶対、100%ない、とまではいいませんが)。

というわけで、もしマーゲイが本当に音声学習するのなら、びっくりではありませんか。

分類上、なんの関係もないところに飛び飛びに音声学習能力が見られるので、ひょっとしたらひょっとするかもしれません。

なにしろヒトもそうですからね。霊長類の中で音声学習するのはヒトだけです。ヒトに近縁なチンパンジーでも、どんなに教えても一言も話すことはありません。

「けものフレンズ」考察-蛇足編:オスがいない…&メスなのに…

ここからは蛇足ですよ!
だってだって、あののどかで陽気で楽しげなアニメに水を差すようなことはしたくないですから。

オスがいないですよね。
おかげでこの作品中では三角関係とかドロドロした黒い部分を見ずに済みます。
とはいえ進化を考える上でも、行動を考える上でも、オスとメスがいるというのはとても重要なことです。
まあこのあたりは頭の隅に留めておくことにしましょう。

「彼女」であるならばないはずの特徴があるのです。
シカというのは基本的にオスのみにツノが生えるのですが、彼女らの頭の上にも何か乗っている…。こういったオスだけに見られる特徴をもったフレンズが、よく見るといるんですよ。

何も考えずにボンヤリ見たいアニメでもありますが、いかがでしたでしょうか。